113D063|第113回 歯科医師国家試験 過去問
11歳の男児。歯と歯の間に隙間があるのが気になり来院した。初診時の口腔内写真(別冊No. 17A)とエックス線画像(別冊No. 17B)を別に示す。 空隙歯列の原因はどれか。3つ選べ。

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正解: b・d・e
正答
b、d、e
この問題のポイント
空隙歯列は、歯列内に現れていない埋伏歯、歯冠幅の小さい矮小歯、歯数不足を生じる先天欠如歯で起こります。写真とエックス線像を合わせ、歯の数・大きさ・萌出位置を評価します。
解説
空隙歯列は、顎骨に対して歯の総幅径が小さいときに生じます。矮小歯では1歯あたりの近遠心幅径が不足し、先天欠如歯では歯列を占めるはずの歯そのものがないため、隣在歯の間に空隙が残ります。また、歯胚は存在しても埋伏して歯列へ萌出していなければ、その部位は臨床的に歯数不足となり空隙の原因になります。
これに対して過剰歯は、正中離開を起こすことはあるものの、本画像に過剰な歯胚は示されていません。癒合歯は2歯胚の結合により歯数の見かけが減る場合がありますが、本例の写真・パノラマ像に癒合した大きな歯冠はありません。本問は一般論だけでなく、提示画像で実際に認める三つの所見を選びます。
画像の確認
実画像では、上下顎前歯部を中心に複数の空隙があり、歯冠幅の小さい歯が確認できます。パノラマエックス線画像では、歯列内に萌出していない歯が顎骨内に残る一方、別の部位では対応する後継歯胚が認められず、埋伏歯・矮小歯・先天欠如歯が同時に空隙へ関与していることが読み取れます。
選択肢の確認
a.過剰歯
誤り。
正中過剰歯は正中離開の原因になり得ますが、本例のエックス線像に余分な歯胚は確認できません。
b.埋伏歯
正しい。
歯胚が存在しても歯列へ萌出していないため、該当部に空隙が残ります。
c.癒合歯
誤り。
癒合を示す幅広い歯冠や結合した歯根形態は画像で認めません。
d.矮小歯
正しい。
歯冠幅が小さいため、歯列弓長と歯の総幅径との間に余剰が生じます。
e.先天欠如歯
正しい。
歯胚の欠如により歯数が不足し、空隙歯列の原因になります。
覚えるポイント
- 空隙歯列では、歯数・歯冠幅・萌出位置の三方向から原因を探します。
- 埋伏は「歯はあるが歯列にない」、先天欠如は「歯胚自体がない」という違いです。
- 写真だけでなくエックス線像で歯胚の有無を確認します。
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