113D064|第113回 歯科医師国家試験 過去問

全身管理医学・全身疾患

局所麻酔薬に添加されているアドレナリンとの相互作用で血圧低下を起こす危険性があるのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
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正解: c・d

正答

c、d

この問題のポイント

α遮断作用をもつフェノチアジン系薬物とブチロフェノン系薬物では、アドレナリン投与後にβ2作用が優位となり、血管拡張から血圧が低下する「アドレナリン反転」が起こり得ます。

解説

アドレナリンはα1受容体を刺激して末梢血管を収縮させる一方、β2受容体を刺激して骨格筋などの血管を拡張させます。通常は両作用の総和で血圧が保たれますが、強いα遮断作用をもつ薬物を使用中では血管収縮作用が抑えられ、β2受容体を介する血管拡張が前面に出ます。その結果、アドレナリンを投与したのに血圧が低下するアドレナリン反転が生じます。

定型抗精神病薬であるフェノチアジン系とブチロフェノン系にはα遮断作用があり、アドレナリン添加局所麻酔薬との併用時に注意します。β遮断薬との相互作用ではむしろα作用が相対的に優位となり、著しい血圧上昇と反射性徐脈が問題です。三環系抗うつ薬はカテコールアミン作用を増強し、血圧上昇や頻脈を招き得ます。

選択肢の確認

a.β遮断薬
誤り。
非選択的β遮断下ではアドレナリンのα血管収縮作用が優位となり、血圧上昇が問題になります。

b.三環系抗うつ薬
誤り。
ノルアドレナリン再取り込み阻害などにより交感神経作用を増強し、主に血圧上昇や頻脈に注意します。

c.フェノチアジン系薬物
正しい。
α遮断作用があるため、アドレナリン反転による血圧低下を起こす危険があります。

d.ブチロフェノン系薬物
正しい。
フェノチアジン系と同じくα遮断作用をもち、アドレナリン反転を生じ得ます。

e.ベンゾジアゼピン系薬物
誤り。
GABA作用を増強する薬物であり、アドレナリン反転を起こすα遮断薬ではありません。

覚えるポイント

  • α遮断薬+アドレナリンではβ2血管拡張が優位になり、血圧が低下します。
  • フェノチアジン系・ブチロフェノン系ではアドレナリン反転に注意します。
  • β遮断薬との併用では、反対に血圧上昇を警戒します。

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