113D065|第113回 歯科医師国家試験 過去問
25歳の女性。齲蝕治療を希望して来院した。脳性麻痺と診断されている。歯科治療時の姿勢(別冊No. 18)を別に示す。 この姿勢の目的はどれか。2つ選べ。

解答・解説を見る
正解: a・b
正答
a、b
この問題のポイント
脳性麻痺患者をクッションで包み、股関節と膝関節を屈曲させた安定姿勢にしています。目的は診療台からの転落防止と、異常な筋緊張・伸展反射の抑制です。
解説
脳性麻痺では、不随意運動、姿勢保持の困難、刺激による筋緊張の増強、原始反射の残存などが歯科治療を妨げることがあります。診療時には頭部・体幹・四肢を無理なく支持し、患者が安心できる対称的で安定した姿勢を作ります。クッションで体幹や骨盤を包み込むと側方へのずれや突然の運動を抑えられ、診療台からの転落を防げます。
また、股関節・膝関節を屈曲した姿勢は全身を過度に伸展させる緊張性反射を起こしにくくし、筋緊張の抑制に役立ちます。拘束そのものを目的とせず、呼吸を妨げない範囲で支持し、本人の同意・意思表示にも配慮します。この姿勢は低血圧予防、鼻呼吸促進、咳反射誘発を狙ったものではありません。
画像の確認
実画像では、患者は診療台上で仰臥位に近い姿勢をとり、青い大型クッションが体幹・骨盤・両上肢の周囲を支えています。両下肢は股関節と膝関節を屈曲して安定させており、身体が診療台外へずれるのを防ぐと同時に、伸展方向の筋緊張を起こしにくい配置です。
選択肢の確認
a.転落の防止
正しい。
クッションで体幹と四肢を支持し、不随意運動による診療台からの転落を防ぎます。
b.筋緊張の抑制
正しい。
股関節・膝関節を屈曲した安定姿勢により、過度な伸展反射や筋緊張を抑えます。
c.低血圧の予防
誤り。
循環血液量や体位性低血圧への対応を目的とした姿勢ではありません。
d.鼻呼吸の促進
誤り。
クッションによる体幹支持と四肢屈曲は、鼻呼吸を促すための処置ではありません。
e.咳嗽反射の誘発
誤り。
安全な姿勢保持が目的であり、咳反射を積極的に誘発する姿勢ではありません。
覚えるポイント
- 脳性麻痺の診療姿勢は、安全な支持と異常筋緊張の抑制を両立させます。
- 体幹を包み、股関節・膝関節を屈曲すると伸展緊張を軽減できます。
- 呼吸状態と圧迫の有無を継続して観察します。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。