113D066|第113回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

7歳の男児。初診時の口腔内写真(別冊No. 19A)、エックス線画像(別冊No. 19B)及び3D-CT(別冊No. 19C)を別に示す。 上顎右側第一大臼歯の近心傾斜の原因として考えられるのはどれか。1つ選べ。

113D066の問題画像
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正解: b

正答

b

この問題のポイント

上顎右側第二乳臼歯が埋伏して正常な位置にないため、その遠心側から萌出する第一大臼歯の進路が乱れ、近心傾斜を生じています。

解説

第一大臼歯の正常な萌出方向と位置は、隣接する第二乳臼歯の位置・形態や後方の歯胚との空間関係に影響されます。本例では上顎右側第二乳臼歯が咬合平面まで萌出せず顎骨内に位置し、第一大臼歯の萌出経路の前方に異常な接触関係を作っています。そのため第一大臼歯は本来の垂直的な位置へ進めず、近心方向へ傾斜して萌出しています。

原因を判断するときは、単に同じ側にある異常を選ぶのではなく、問題の歯と直接隣接し、その萌出路へ力学的・空間的に影響する構造を探します。乳犬歯や第一乳臼歯はより前方にあり、第一小臼歯歯胚は第二乳臼歯の後継歯です。第二大臼歯歯胚は後方にありますが、本画像で第一大臼歯の近心傾斜を説明する主所見ではありません。

画像の確認

実画像では、口腔内写真で上顎右側第二乳臼歯が歯列・咬合平面上に認められず、その後方の第一大臼歯が近心へ傾いています。パノラマ像と3D-CTでは第二乳臼歯が低位で顎骨内に埋伏し、近接する第一大臼歯の萌出軸が近心へ偏位している位置関係が明瞭です。

選択肢の確認

a.上顎右側乳犬歯の低位
誤り。
乳犬歯は第一大臼歯から離れた前方にあり、この近心傾斜を直接説明しません。

b.上顎右側第二乳臼歯の埋伏
正しい。
第一大臼歯に隣接する第二乳臼歯の位置異常が、萌出経路を乱しています。

c.上顎右側第一乳臼歯の遠心傾斜
誤り。
画像上の主要所見ではなく、第一大臼歯と直接隣接する原因でもありません。

d.上顎右側第一小臼歯の歯胚の位置異常
誤り。
第一小臼歯は第一乳臼歯の後継歯であり、第一大臼歯の直前方の障害物ではありません。

e.上顎右側第二大臼歯の歯胚の位置異常
誤り。
後方歯胚よりも、直前方に埋伏する第二乳臼歯との位置関係が原因です。

覚えるポイント

  • 永久歯の萌出異常では、隣接乳歯と後継歯胚の三次元的位置を確認します。
  • 本例は埋伏した第二乳臼歯が第一大臼歯の正常萌出を妨げています。
  • パノラマ像に加え3D-CTで重なりと萌出方向を把握します。

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