113D082|第113回 歯科医師国家試験 過去問
38歳の男性。下顎右側第一小臼歯のインレー破折を主訴として来院した。昨日、食事中に破折したという。検査の結果、2ステップセルフエッチングシステムを用いて補修修復を行うこととした。処置中の口腔内写真(別冊No. 29)を別に示す。 必要なのはどれか。3つ選べ。

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正解: a・b・c
正答
a、b、c
この問題のポイント
破折インレーの補修修復では、既存修復物面へのシラン処理と、2ステップセルフエッチングシステムのプライミング・ボンディングが必要です。
解説
補修修復では、破折面に既存修復材料と新たに露出した歯質が混在するため、被着面ごとに処理を選びます。既存のコンポジットレジン系・シリカ含有材料面は、清掃・粗造化した後にシランカップリング剤を用いることで、露出した無機質フィラーと新しいレジン材料の化学的結合を助けます。歯質には使用する接着システムの手順に従います。
2ステップセルフエッチングシステムは、第一段階で酸性プライマーを塗布して歯面の脱灰と浸透を同時に行い、第二段階でボンディング材を塗布・重合します。したがってプライミングとボンディングの両方が必要です。レジンコーティングは一般に間接修復窩洞の形成直後に露出象牙質を樹脂で保護する処置であり、本例の補修手順を表しません。レジンインプレグネーションも独立した臨床操作名として追加する処置ではありません。
画像の確認
実画像では、ラバーダム防湿下で下顎右側第一小臼歯のインレーの一部が破折し、既存修復物面と歯質面が同一窩洞内に露出しています。隣接面には透明マトリックスが設置されており、この複合被着面へ接着前処理を行ってコンポジットレジンを補修填塞する場面です。
選択肢の確認
a.シラン処理
正しい。
既存修復材料中の無機質フィラーと新しいレジンとの接着を高めるために行います。
b.プライミング処理
正しい。
2ステップセルフエッチングシステムの第一段階で、酸性プライマーを歯質へ浸透させます。
c.ボンディング処理
正しい。
プライミング後にボンディング材を塗布・重合し、新しい修復用レジンとの接着層を作ります。
d.レジンコーティング
誤り。
間接修復の窩洞形成直後に象牙質を保護する手法で、破折インレーの直接補修に必須の三処理ではありません。
e.レジンインプレグネーション
誤り。
脱灰象牙質へのレジン浸透は接着機構の一部ですが、独立して追加する臨床処置としては選びません。
覚えるポイント
- 補修修復では、既存材料面と歯質面を分けて前処理します。
- 2ステップセルフエッチングは「プライマー→ボンディング」です。
- シランはシリカ・フィラーを含む被着面とレジンを結びます。
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