113D085|第113回 歯科医師国家試験 過去問
30歳の女性。上顎中切歯の変色による審美不良を主訴として来院した。変色は萌出時からみられたという。検査の結果、修復処置を行うこととした。初診時の口腔内写真(別冊No. 32A)、支台歯形成後に歯質の削除量の確認を行っている写真(別冊No. 32B)及び修復物試適時の写真(別冊No. 32C)を別に示す。 修復物装着時に歯面に行うのはどれか。1つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
写真は上顎中切歯へ装着するセラミックラミネートベニアです。装着時のエナメル質歯面にはリン酸エッチングを行い、微細な凹凸を作ってレジンセメントの接着を高めます。
解説
ラミネートベニアは唇側エナメル質を必要最小限削除し、薄いセラミック修復物を接着する審美修復です。歯面側ではリン酸を用いてエナメル質の表層を選択的に脱灰し、微細な多孔質構造を形成します。そこへボンディング材・レジンセメントが浸透してレジンタグを作ることで、強固な微小機械的嵌合が得られます。防湿とエッチング後の表面管理が接着成績に重要です。
処理する対象を区別します。ガラスセラミックス修復物の内面にはフッ化水素酸処理とシラン処理を組み合わせますが、これらを口腔内の歯面へ行うものではありません。サンドブラストは金属・ジルコニアなど修復物表面の粗造化に用いられ、過酸化水素水は本処置の接着前処理ではありません。設問は「歯面」に行う処理を問うためリン酸を選びます。
画像の確認
実画像では、萌出時から帯状に変色した上顎両側中切歯があり、形成後はシリコーンインデックスで唇側歯質の削除量を確認しています。試適時には両中切歯の唇側へ薄い歯冠色シェル状修復物が置かれており、エナメル質接着型のラミネートベニア修復と判断できます。
選択肢の確認
a.シラン処理
誤り。
シランは主にシリカを含むセラミック修復物の内面へ用い、エナメル質歯面の処理ではありません。
b.過酸化水素水処理
誤り。
漂白・酸化に関係する薬剤で、ベニア装着時の標準的な歯面接着処理ではありません。
c.フッ化水素酸処理
誤り。
ガラスセラミックス内面を粗造化する処理で、口腔内の歯質には使用しません。
d.サンドブラスト処理
誤り。
主に修復物内面の機械的粗造化に用い、エナメル質歯面の第一選択処理ではありません。
e.リン酸エッチング処理
正しい。
エナメル質を微細に脱灰し、接着性レジンが浸透できる凹凸を形成します。
覚えるポイント
- ラミネートベニアの歯面側はリン酸エッチングです。
- ガラスセラミック内面はフッ化水素酸処理後にシラン処理します。
- 「歯面」か「修復物内面」かを必ず読み分けます。
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