114A026|第114回 歯科医師国家試験 過去問
60歳の男性。医科からの紹介により来院した。ある装置を製作し、装着4週後に治療効果判定のための検査を医科に依頼した。製作した装置の写真(別冊No. 6)を別に示す。装置装着前後の検査結果を表に示す。 適切な対応はどれか。1つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
口腔内装置による睡眠時無呼吸の治療効果が不十分な場合、まず下顎前方移動量を調整して再評価します。
解説
写真の装置は下顎を前方位に保持し、舌根部周囲の上気道を広げる口腔内装置です。治療効果は自覚症状だけでなく、無呼吸低呼吸指数〈AHI〉、酸素飽和度、覚醒指数などで判定します。本例では中途覚醒指数は35.3回/hから21.4回/hへ低下したものの、無呼吸指数は8.5回/hから8.6回/h、AHIは19.2回/hから18.8回/hで、呼吸イベントはほぼ改善していません。
装着4週の段階では、適合、顎関節・歯への有害事象を確認しながら下顎前方移動距離を修正し、医科と連携して客観的に再評価します。調整後も不十分ならCPAPなどを検討します。
画像の確認
実画像では、上下顎歯列を覆う透明な下顎前方移動型口腔内装置が示されています。表では動脈血酸素飽和度が85%から87%へわずかに上がる一方、AHIは19.2回/hから18.8回/hにとどまり、十分な治療効果とはいえません。
選択肢の確認
a.経過観察
誤り。
AHIがほぼ不変であり、調整せず経過を見る段階ではありません。
b.外科的療法の検討
誤り。
口腔内装置の調整余地があるため、直ちに侵襲的治療へ進む状況ではありません。
c.睡眠体位指導の検討
誤り。
体位依存性を示す検査情報がなく、本例でまず行う対応ではありません。
d.装置の下顎前方移動距離の修正
正しい。最も適切です。
呼吸イベントの改善が乏しいため、前方移動量を調整して効果を再評価します。
e.持続的経鼻陽圧呼吸器適用の検討
誤り。
有力な治療法ですが、まず口腔内装置を適切に調整し、その効果と忍容性を評価します。
覚えるポイント
- 口腔内装置は下顎を前方へ保持して上気道を広げます。
- 効果判定ではAHIと酸素飽和度を確認します。
- 効果不十分なら前方移動量を調整し、医科と再評価します。
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