114A050|第114回 歯科医師国家試験 過去問
44歳の男性。下顎左側臼歯部の違和感を主訴として来院した。9年前にstageⅠの舌癌の治療を受けたが、現在まで再発はない。歯周基本治療後の再評価の結果、歯周外科治療を行うこととした。初診時の口腔内写真(別冊No. 17A)とエックス線画像(別冊No. 17B)を別に示す。再評価時の歯周組織検査結果の一部を表に示す。 適切な治療法はどれか。2つ選べ。

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正解: a・e
正答
a、e
この問題のポイント
垂直性骨欠損は歯周組織再生療法の適応ですが、悪性腫瘍の既往がある患者にはFGF-2製剤を使用できません。
解説
骨壁が残る垂直性骨欠損では、骨移植材により再生の足場とスペースを確保する骨移植術や、歯根面へエナメルマトリックスタンパク質を応用して歯周組織再生を促す治療が選択肢になります。プラークコントロール、根面処置、咬合管理などの基本条件を整えたうえで適用します。
FGF-2製剤は垂直性骨欠損に適応がありますが、細胞増殖促進作用をもつため、口腔内悪性腫瘍のある患者またはその既往歴がある患者には禁忌です。本例は舌癌の既往があるため選びません。
画像の確認
実画像では、下顎左側大臼歯部に深い歯周ポケットとBOPが残り、エックス線画像では隣接面に限局した深い垂直性骨欠損が認められます。再評価後にも炎症所見を伴う骨縁下欠損であり、歯肉剥離掻爬術下で欠損形態を確認して行う再生療法が適します。
選択肢の確認
a.骨移植術
正しい。垂直性骨欠損を再生させるために適用できます。
b.FGF-2製剤の応用
誤り。舌癌という口腔内悪性腫瘍の既往があるため禁忌です。
c.歯周ポケット搔爬術
誤り。深い垂直性骨欠損に対し、非明視下の搔爬のみでは十分な再生を期待できません。
d.歯肉弁根尖側移動術
誤り。ポケット除去には用いますが、付着歯肉や骨形態を考慮すると本欠損の再生を図る第一選択ではありません。
e.エナメルマトリックスタンパク質の応用
正しい。垂直性骨欠損に対する歯周組織再生療法として用います。
覚えるポイント
- 垂直性骨欠損には骨移植やエナメルマトリックスタンパク質を検討します。
- FGF-2製剤は口腔内悪性腫瘍の既往がある患者には禁忌です。
- 再生療法の前提は良好なプラークコントロールと炎症管理です。
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