114A057|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯内療法学

33歳の女性。上顎右側中切歯の違和感を主訴として来院した。20年前、転倒した際に脱臼して再植を受けたが、最近まで自覚症状はなかったという。初診時の歯科用コーンビームCT(別冊No. 22)を別に示す。 適切な処置はどれか。1つ選べ。

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正解: a

正答

a

この問題のポイント

再植歯に広範な外部歯根吸収が生じ、保存可能な歯根量が失われている場合は抜歯を選択します。

解説

脱臼歯を再植すると、受傷時の歯根膜損傷や感染を背景に、時間の経過後に外部歯根吸収が進行することがあります。本症例は20年前の再植歴をもち、CBCTで歯根の広い範囲に著しい吸収を認めます。感染根管治療はすでに行われているうえ、根の構造的支持が大きく失われているため、予知性のある保存は困難であり抜歯が適切です。

意図的再植は健全な歯根膜・歯根構造をさらに損なう可能性があり、歯根尖切除は根尖限局病変への処置なので本病態を解決しません。

画像の確認

実画像では、根管充塡済みの上顎右側中切歯に、歯頸部から歯根中央部へ及ぶ大きな外部吸収性欠損が認められます。歯根外形は広範に失われ、残存歯質が薄く不連続で、局所的な修復や根尖部だけの外科処置で保存できる範囲を超えています。

選択肢の確認

a.抜歯
正しい。広範な外部歯根吸収によって保存不可能と判断します。

b.意図的再植
誤り。再植歴と著しい歯根吸収があり、予後改善を期待できません。

c.歯根尖切除
誤り。病変は根尖部に限局せず、歯頸部から歯根中央部へ広がっています。

d.感染根管治療
誤り。根管治療済みであり、失われた歯根構造は回復できません。

e.コンポジットレジン修復
誤り。広範で深い外部吸収を単純な修復で再建することは困難です。

覚えるポイント

  • 再植歯の晩期合併症として外部歯根吸収に注意します。
  • CBCTで吸収の位置・広がり・残存歯質を三次元的に評価します。
  • 広範な吸収で歯根の支持が失われれば抜歯を検討します。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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