114A076|第114回 歯科医師国家試験 過去問
17歳の男子。上顎左側側切歯の咬合痛と歯肉腫脹を主訴として来院した。昨夜から激しい痛みがあるという。上顎左側側切歯には強い打診痛があり、腫脹部に波動を触れる。 プロービング深さは全周3mm以下であった。初診時の口腔内写真(別冊No. 32A)とエックス線画像(別冊No. 32B)を別に示す。 初診時の対応で適切なのはどれか。3つ選べ。

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正解: a・d・e
正答
a、d、e
この問題のポイント
波動を触れる急性根尖性膿瘍では、排膿、原因歯への負担軽減、感染拡大への対応を初診時に行います。
解説
波動を触れる膿瘍は軟組織内に膿が貯留しているため、切開して排膿路を確保し、疼痛と組織内圧を減らします。強い打診痛がある歯では咬合接触を調整して根尖歯周組織への機械的刺激を軽減します。急性で腫脹と激痛を伴う感染には、局所処置を行ったうえで必要な抗菌薬を投与し、感染拡大を抑えます。原因歯の根管治療も排膿後の状態に応じて進めます。
骨の穿孔や根尖搔爬は侵襲的な外科処置で、切開排膿できる初診時に選びません。
画像の確認
実画像では、上顎左側側切歯口蓋側に境界明瞭な半球状腫脹があり、一部に発赤を伴っています。エックス線画像では同歯の根形態異常と根尖周囲透過像がみられ、強い打診痛、全周3mm以下のプロービング、波動という所見は歯周膿瘍より急性根尖性膿瘍に合います。
選択肢の確認
a.咬合調整
正しい。咬合時の根尖部への負担を減らし、咬合痛を軽減します。
b.骨の穿孔
誤り。軟組織に波動があり切開排膿できるため、骨を穿孔する必要はありません。
c.根尖搔爬
誤り。急性膿瘍の初診時に行う第一選択の外科処置ではありません。
d.膿瘍切開
正しい。貯留した膿を排出して組織内圧を低下させます。
e.抗菌薬投与
正しい。局所排膿と併用し、急性感染の拡大を抑えます。
覚えるポイント
- 波動を触れる膿瘍は切開・排膿します。
- 急性根尖性歯周炎の咬合痛には咬合調整を行います。
- 抗菌薬だけに頼らず、感染源と膿の局所処置を行います。
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