114B065|第114回 歯科医師国家試験 過去問
42歳の女性。上顎左側臼歯部の動揺とブラッシング時の出血を主訴として来院した。6か月前から自覚していたがそのままにしていたという。診察と検査の結果、慢性歯周炎と診断し、歯周基本治療後に歯周外科治療を行うこととした。初診時の口腔内写真(別冊No. 22A)とエックス線画像(別冊No. 22B)を別に示す。再評価時の歯周組織検査結果の一部を表に示す。 適切な処置はどれか。2つ選べ。

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正解: a・c
正答
a、c
この問題のポイント
歯周基本治療後も深い歯周ポケットと垂直性骨欠損が残る場合は、歯周組織再生療法を検討します。GTR法とFGF-2製剤は、失われた歯槽骨・歯根膜・セメント質の再生を目的とします。
解説
GTR法は遮蔽膜で歯肉上皮・結合組織の根面への侵入を防ぎ、歯根膜由来細胞などが欠損部へ増殖する空間を確保する方法です。FGF-2製剤は歯周組織の細胞増殖や血管新生を促し、垂直性骨欠損などに応用されます。いずれも炎症とプラークが十分にコントロールされ、保存可能な歯であることが前提です。
歯肉切除術は骨内欠損の再生を目的とせず、深い垂直性欠損では付着組織を失う可能性があります。結合組織移植術と歯肉弁歯冠側移動術は、主に歯肉退縮の根面被覆や軟組織増大に用います。
画像の確認
実画像では、上顎左側の第二小臼歯から第二大臼歯にかけて歯槽骨の角状・垂直性吸収を認めます。再評価表では第一・第二大臼歯の隣接部を中心に6〜8mmの深いポケットとプロービング時出血が残り、動揺度は第二小臼歯0、第一大臼歯1、第二大臼歯2です。歯周基本治療で炎症を十分に抑えたうえで、残存する骨内欠損にGTR法またはFGF-2製剤を用いる再生療法を検討する所見です。
選択肢の確認
a.GTR法
正しい。遮蔽膜で再生に必要な細胞が欠損部へ増殖できる空間を確保します。
b.歯肉切除術
誤り。歯肉を切除してポケットを除去する術式で、垂直性骨欠損の再生には適しません。
c.FGF-2製剤の応用
正しい。歯周組織再生を促す薬剤として骨内欠損へ応用できます。
d.歯肉結合組織移植術
誤り。主に根面被覆や歯肉厚・角化組織の増大を目的とする軟組織手術です。
e.歯肉弁歯冠側移動術
誤り。主に歯肉退縮部の根面被覆に用い、本例の骨内欠損への処置ではありません。
覚えるポイント
- 垂直性骨欠損は歯周組織再生療法の適応を検討します。
- GTR法は遮蔽膜、FGF-2製剤は生物学的作用で再生を促します。
- 再生療法の前提は炎症とプラークの良好なコントロールです。
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