114B087|第114回 歯科医師国家試験 過去問
72歳の男性。下顎右側側切歯の痛みを主訴として来院した。1週前から咬合痛を自覚し、昨日から自発痛があるという。初診時の口腔内写真(別冊No. 34A)とエックス線画像(別冊No. 34B)を別に示す。 次に行うのはどれか。1つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
自発痛と咬合痛がある下顎右側側切歯について、まず歯髄の生死・反応を調べる必要があります。選択肢では非侵襲的な歯髄電気診を行います。
解説
歯髄電気診は歯面へ電気刺激を加え、感覚神経の反応を調べる歯髄感覚検査です。被検歯を清掃・乾燥して導電性媒体を介し、隣在歯・反対側同名歯などの対照歯と閾値を比較します。陽性反応は感覚神経の反応を示しますが、歯髄血流を直接測る検査ではありません。陰性でも石灰化、電極接触不良、外傷などによる偽陰性を考えます。
本例では症状とエックス線所見だけで歯髄壊死や歯周由来疼痛を確定できないため、まず感覚検査を行い、温度診、打診、歯周検査などと総合します。切削診は侵襲的で、他の感覚検査で判断できない場合の最終手段です。
画像の確認
実画像では、下顎前歯部に多量の歯石と歯肉退縮があり、対象の下顎右側側切歯周囲にも歯周病変が疑われます。デンタルエックス線画像では歯根が確認できますが、症状の原因を画像だけで歯髄性・歯周性に分けられないため、歯髄電気診で生活反応を確認します。
選択肢の確認
a.切削診
誤り。歯質を切削する侵襲的検査で、他の歯髄感覚検査で判定できない場合に限って検討します。
b.透照診
誤り。亀裂、破折、隣接面う蝕などの観察に用い、歯髄生活反応を直接評価しません。
c.麻酔診
誤り。疼痛部位を特定できない場合に局所麻酔で原因歯・部位を絞る検査です。
d.歯髄電気診
正しい。対象歯の歯髄感覚反応を対照歯と比較し、診断情報を得ます。
e.レーザー蛍光強度測定
誤り。主にう蝕病変の検出・モニタリングに用いる方法です。
覚えるポイント
- 歯髄電気診は歯髄神経の反応を評価します。
- 必ず対照歯と比較し、他の臨床所見と総合します。
- 切削診は不可逆的なので最初から選びません。
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