114C045|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯内療法学

80歳の男性。上顎左側第一大臼歯の痛みを主訴として来院した。2週前から冷水痛があり、昨日から拍動性の自発痛を自覚しているという。打診痛を認める。診断をした結果、抜髄処置を行うこととした。初診時のエックス線画像(別冊No. 14A)と処置中のある操作時のマイクロスコープ写真(別冊No. 14B)を別に示す。 続いて行う操作で留意するのはどれか。2つ選べ。

114C045の問題画像
2つ選択
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正解: b・d

正答

b、d

この問題のポイント

上顎大臼歯の髄腔開拡では、歯髄腔天蓋を完全に除去して髄角部の歯髄を残さず、髄床底を削り過ぎないことが重要です。マイクロスコープ下では髄床底の色調と発育溝を手掛かりに根管口を探索します。

解説

抜髄の髄腔開拡では、天蓋や張り出しを除去して根管口を明示します。髄角部に歯髄を残すと、術後の変色や疼痛、感染源につながるため除去します。一方、髄床底は歯冠側象牙質より暗い色調を示し、過度な切削は穿孔を起こします。第一大臼歯では複数根管を想定しますが、根管探索時も発育溝をたどり、床底を深く削り込まないことが基本です。

画像の確認

実画像では、上顎左側第一大臼歯の髄腔開拡中で、マイクロスコープ像に髄腔内と髄床底が拡大表示されています。窩洞外形を整えて根管口への直線的到達を得る段階であり、周辺の髄角を取り残さず、暗色の髄床底を穿孔しない慎重な切削が必要です。

選択肢の確認

a.歯髄の感染
誤り。感染の有無は診断と治療方針に関係しますが、この髄腔開拡操作で特に回避すべき形態的問題ではありません。

b.髄床底の損傷
正しい。根管口探索で深く切削し過ぎると、髄床底穿孔を生じます。

c.歯髄結石の残存
誤り。画像は髄床底を確認しながら開拡する段階で、主要な留意点を歯髄結石の残存とはしません。

d.髄角部歯髄の残存
正しい。天蓋や髄角部を取り残すと、残存歯髄による疼痛や歯冠変色の原因になります。

e.歯冠部感染歯質の残存
誤り。感染歯質の除去は重要ですが、提示された髄腔内操作で問われる中心は床底損傷と髄角部歯髄の残存です。

覚えるポイント

  • 髄腔開拡は「天蓋・髄角を残さない、髄床底を削り過ぎない」が基本です。
  • 髄床底の色調と発育溝を利用して根管口を探します。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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