114C080|第114回 歯科医師国家試験 過去問
14歳の男子。食物が嚙みにくいことを主訴として来院した。3歳から義歯を使用しており、何度も調整と新製を繰り返しているという。弟にも同様の所見がある。診察の結果、義歯を新製することとした。初診時の口腔内写真(別冊No. 36A)とエックス線画像(別冊No. 36B)を別に示す。 治療に際して特に留意すべきなのはどれか。1つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
幼少時から多数歯欠如と円錐歯を認め、兄弟にも同様の所見がある場合、遺伝性の外胚葉異形成症を考えます。低汗型では汗腺の形成不全により発汗できず、歯科診療中も体温上昇に特に注意します。
解説
外胚葉異形成症では、歯、毛髪、爪、汗腺など外胚葉由来組織に異常を生じます。低汗型では乏歯症・無歯症、円錐歯、疎毛、乾燥皮膚、低発汗を認め、高温環境や運動で高体温になりやすくなります。義歯治療では顎の成長と残存歯の変化に合わせて定期的な調整・再製を行います。診療室の温度管理、短時間の診療、休憩と水分補給を組み合わせて安全を確保します。
画像の確認
実画像では、上下顎に少数の円錐形をした歯のみが萌出し、広い無歯顎部がみられます。パノラマ画像でも永久歯胚を含む多数歯欠如が確認でき、3歳から義歯を使用し弟にも同様の所見があるという遺伝性疾患の経過と一致します。
選択肢の確認
a.気道閉塞
誤り。顎顔面形態に応じた評価は必要ですが、本疾患で義歯治療時に最も特徴的に注意する合併ではありません。
b.頸椎脱臼
誤り。関節の不安定性を主徴とする疾患の注意点で、乏歯症と低汗型外胚葉異形成症には結び付きません。
c.体温上昇
正しい。汗腺形成不全で発汗による放熱が困難なため、高体温を起こしやすくなります。
d.下顎骨骨折
誤り。顎堤が低くても、外胚葉異形成症に特有の最優先リスクは体温調節障害です。
e.てんかん発作
誤り。外胚葉異形成症の基本病態から直接予測する代表的な診療時リスクではありません。
覚えるポイント
- 乏歯症・円錐歯・家族歴から外胚葉異形成症を考えます。
- 低汗型では発汗障害による体温上昇を最優先で防ぎます。
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