114D026|第114回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯内療法学

39歳の女性。上顎右側第二小臼歯の違和感を主訴として来院した。1か月前から自覚していたがそのままにしていたという。上顎右側第二小臼歯には打診痛と根尖部歯肉に圧痛が認められる。初診時の口腔内写真(別冊No. 2A)、エックス線画像(別冊No. 2B)及び築造体除去後のマイクロスコープ写真(別冊No. 2C)を別に示す。 適切な処置はどれか。1つ選べ。

114D026の問題画像
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正解: a

正答

a

この問題のポイント

築造体除去後の拡大像で歯根破折線が確認でき、症状と根尖部病変も伴うため、保存困難な垂直性歯根破折として抜歯を選びます。

解説

根管治療歯に生じた垂直性歯根破折では、咬合時の違和感や打診痛、局所的な深い歯周ポケット、瘻孔、根尖から側方へ連続する骨透過像などを示します。築造体を除去してマイクロスコープ下で破折線を直接確認できれば診断上きわめて重要です。本例では根尖部歯肉の圧痛もあり、感染が破折線に沿って歯周組織へ波及していると考えます。

単根歯の垂直性歯根破折は、破折線の封鎖と感染制御を予知性高く行うことが難しく、通常は抜歯が適応です。根管内感染だけを対象とする感染根管治療や、根尖部のみを処置する根尖掻爬・歯根尖切除では、歯根を縦走する破折そのものを解決できません。

画像の確認

実画像では、Aで上顎右側第二小臼歯に補綴装置が装着され、Bで同歯は根管充塡・築造後で根尖部周囲に透過像がみられます。Cのマイクロスコープ像では根管口付近から歯質を走る暗色の線状部が明瞭で、垂直性歯根破折を直接示す所見です。

選択肢の確認

a.抜歯
正しい。
単根歯の垂直性歯根破折で感染を伴い、保存の予知性が低いため適切です。

b.根尖搔爬
誤り。
根尖病変を掻爬しても、歯根を縦走する破折線と感染経路が残ります。

c.意図的再植
誤り。
通常の根管治療が困難な歯の根尖処置などに用いることがありますが、本例の破折歯の第一選択ではありません。

d.歯根尖切除
誤り。
根尖部だけを切除しても、垂直性破折の全長を除去できません。

e.感染根管治療
誤り。
根管内の感染源には対応できますが、破折線を介する持続感染を解消できません。

覚えるポイント

  • 根管治療歯の違和感・局所骨吸収では垂直性歯根破折を疑います。
  • マイクロスコープによる破折線の直接確認が有用です。
  • 単根歯の垂直性歯根破折は原則として抜歯適応です。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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