114D042|第114回 歯科医師国家試験 過去問
45歳の女性。上顎右側小臼歯部の動揺と咬合痛を主訴として来院した。1年前から自覚していたがそのままにしていたという。診察と検査の結果、慢性歯周炎と診断し、歯周基本治療後に歯周組織再生療法を行うこととした。エナメルマトリックスタンパク質を塗布操作中の口腔内写真(別冊No. 10)を別に示す。再評価時の歯周組織検査結果の一部を表に示す。 この操作で正しいのはどれか。2つ選べ。

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正解: a・c
正答
a、c
この問題のポイント
エナメルマトリックスタンパク質は、肉芽組織を除去し、根面処理した後の血液で汚染されていない根面へ塗布します。
解説
エナメルマトリックスタンパク質を用いる歯周組織再生療法では、全層弁を剝離して骨欠損内の肉芽組織を完全に除去し、スケーリング・ルートプレーニングを行います。根面をEDTA製剤などで処理してスメア層を除去し、十分に洗浄した後、唾液や血液が付着しないよう防湿して根面へ製剤を塗布します。
製剤を塗布した後は洗い流さず、そのまま歯肉弁を復位・縫合します。血液が先に根面を覆うとタンパク質の吸着が妨げられます。肉芽組織は再生の足場として残すのではなく除去し、塗布範囲も骨欠損に面する露出根面が中心で、セメント・エナメル境を越えて健全なエナメルへ広く塗る必要はありません。
画像の確認
実画像では、上顎右側小臼歯部で歯肉弁が剝離され、骨欠損に面した根面へ細いアプリケーターで製剤を塗布しています。根面は肉芽組織が除去されて露出し、吸引下で血液が製剤塗布部を覆わないように操作されています。
選択肢の確認
a.根面処理後に行う。
正しい。
EDTAなどによる根面処理と洗浄の後に製剤を塗布します。
b.操作後に生理食塩液で洗浄する。
誤り。
塗布後に洗浄すると製剤が失われるため、そのまま歯肉弁を復位します。
c.根面に血液が付着しないように行う。
正しい。
血液による根面汚染を避け、製剤を根面へ直接吸着させます。
d.骨欠損底部に肉芽組織を一層残して行う。
誤り。
炎症性肉芽組織は欠損内から十分に除去します。
e.セメントーエナメル境より歯冠側にも塗布する。
誤り。
適用対象は歯周組織再生を図る露出根面で、健全な歯冠側エナメルへの塗布は不要です。
覚えるポイント
- 手順は肉芽除去・根面清掃→根面処理・洗浄→防湿塗布→縫合です。
- 血液や唾液による根面汚染を避けます。
- 塗布後に製剤を洗い流しません。
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