114D068|第114回 歯科医師国家試験 過去問
21歳の男性。下顎前突症に対し、全身麻酔下に下顎枝矢状分割術を行うこととした。プロポフォールとロクロニウム臭化物で麻酔導入し、気管挿管を行ったところ、気道内圧が顕著に上昇した。この時の体幹の写真(別冊No. 23A)と生体モニタ画面(別冊No. 23B)を別に示す。 この患者に生じているのはどれか。1つ選べ。

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正解: c
正答
c
この問題のポイント
挿管後の高い気道内圧、呼気終末二酸化炭素波形の呼気相延長、低酸素血症から気管支痙攣が生じています。
解説
気管支痙攣では気管支平滑筋が収縮して下気道抵抗が増大し、呼気がとくに障害されます。全身麻酔中には気道内圧上昇、呼気性喘鳴、呼気終末二酸化炭素〈EtCO2〉上昇、カプノグラムの斜めに立ち上がる「シャークフィン」型、酸素飽和度低下として現れます。回路閉塞、チューブ屈曲・片肺挿管なども同時に確認します。
本例では薬剤投与直後の全身性紅斑と著明な低血圧もあり、ロクロニウムなどによるアナフィラキシーに伴う気管支痙攣が強く疑われます。アナフィラキシーとして直ちにアドレナリン投与、100%酸素、輸液などを行います。選択肢は気道現象を問うため気管支痙攣を選びます。
画像の確認
実画像では、Aの体幹に広範な紅斑が出現しています。BではSpO2 75%、血圧45/24 mmHg、EtCO2 55 mmHgで、カプノグラムは呼気相が斜めに上昇するシャークフィン型を示し、下気道狭窄に一致します。
選択肢の確認
a.喉頭痙攣
誤り。
声門レベルの閉塞で、完全閉塞では呼気二酸化炭素波形が消失しやすく、シャークフィン型とは異なります。
b.食道挿管
誤り。
持続する呼気二酸化炭素波形が得られず、換気とともに波形が消失します。
c.気管支痙攣
正しい。
下気道抵抗増大により高気道内圧、呼気延長、シャークフィン型波形を生じます。
d.上気道閉塞
誤り。
気管チューブ挿管後であり、波形は下気道の呼気流制限を示しています。
e.過換気症候群
誤り。
全身麻酔・筋弛緩中の患者に生じる病態ではなく、過換気ならEtCO2は低下します。
覚えるポイント
- 気管支痙攣のカプノグラムはシャークフィン型です。
- 筋弛緩薬は周術期アナフィラキシーの原因になり得ます。
- 皮膚症状・低血圧・気管支痙攣の組合せではアドレナリンを急ぎます。
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