114D078|第114回 歯科医師国家試験 過去問
60歳の女性。前歯部の歯肉腫脹を主訴として来院した。6か月前に降圧薬を服用してから自覚するようになったが、痛みがないためにそのままにしていたという。プロービング深さは上下前歯部唇舌口蓋側近遠心で6〜 8mm、中央部で4〜5mm、プロービング時には全測定部位で出血を認めた。初診時の口腔内写真(別冊No. 27)を別に示す。 まず行うのはどれか。2つ選べ。

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正解: b・e
正答
b、e
この問題のポイント
薬物性歯肉増殖でも、最初は炎症を減らす口腔清掃指導とスケーリング・ルートプレーニングを行います。
解説
降圧薬、とくにカルシウム拮抗薬は歯肉増殖を起こすことがありますが、増殖の程度はプラークによる炎症で悪化します。本例は全顎前歯部に深い仮性ポケットとプロービング時出血があり、まず患者自身のプラークコントロールを改善し、スケーリング・ルートプレーニングで歯石と根面のバイオフィルムを除去します。薬剤変更の可否は処方医と連携して検討し、再評価後も線維性増殖と深いポケットが残れば歯肉切除術などを考えます。
炎症管理前の外科手術や、原因除去を伴わない抗菌薬局所投与を初手にはしません。
画像の確認
実画像では、上下顎前歯部の歯間乳頭と辺縁歯肉が著しく増殖し、歯冠の一部を覆っています。歯肉には発赤と腫脹も伴い、全測定部位のプロービング時出血という所見と合わせ、薬物性増殖にプラーク性炎症が重なった状態です。
選択肢の確認
a.歯肉切除術
誤り。
基本治療後に残る線維性増殖へ検討する処置で、最初には行いません。
b.口腔清掃指導
正しい。
プラーク性炎症を減らし、増殖を悪化させる局所因子を改善します。
c.フラップ手術
誤り。
炎症をコントロールして再評価する前の第一選択ではありません。
d.抗菌薬の局所投与
誤り。
機械的なプラーク・歯石除去に代わる初期治療ではありません。
e.スケーリング・ルートプレーニング
正しい。
歯石と根面バイオフィルムを除去し、歯肉炎症を軽減します。
覚えるポイント
- 薬物性歯肉増殖も最初はOHIとSRPです。
- 薬剤変更は歯科だけで中止せず、処方医と連携します。
- 外科処置は歯周基本治療後の再評価で判断します。
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