114D089|第114回 歯科医師国家試験 過去問
60歳の女性。上顎右側臼歯部の咬合痛を主訴として来院した。自発痛はないが、歯肉を押すと違和感があるという。6、5に打診痛を認める。初診時の口腔内写真(別冊No. 31A)とエックス線画像(別冊No. 31B)を別に示す。歯周組織検査結果の一部を表に示す。 治療方針の組合せで適切なのはどれか。1つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
根尖病変を伴う6には感染根管治療を行い、孤立性9mmポケットと高度動揺を示す5は保存困難で抜歯します。
解説
6は打診痛があり、エックス線画像で根尖周囲病変がみられる一方、プロービング深さは全周おおむね3mmで、歯周組織からの病変を示しません。歯髄壊死に続く根尖性歯周炎を考え、感染根管治療で根管内感染を除去します。5は頰側・口蓋側とも中央部に孤立した9mmポケットと出血を認め、動揺度2です。限局性の深いポケットは歯根破折を疑う所見で、支持組織も大きく失われているため抜歯が適切です。
咬合調整だけでは根管内感染や歯根破折を治療できず、5の感染根管治療でも破折線からの感染は除去できません。
画像の確認
実画像では、上顎右側臼歯部に全部被覆冠が装着され、エックス線画像で6の根尖周囲に透過像を認めます。歯周検査表では6が全周3mmのポケットと動揺度1であるのに対し、5は頰口蓋側中央に出血を伴う9mmポケットと動揺度2を示します。
選択肢の確認
a.6:経過観察 ― 5:抜歯
誤り。
5の抜歯は妥当ですが、症状と根尖病変をもつ6を経過観察だけにはできません。
b.6:経過観察 ― 5:感染根管治療
誤り。
6には治療が必要で、5は歯根破折が疑われ根管治療で保存できません。
c.6:咬合調整 ― 5:抜歯
誤り。
6の根管内感染は咬合調整だけでは除去できません。
d.6:咬合調整 ― 5:感染根管治療
誤り。
両歯とも病態の原因に対する治療になっていません。
e.6:感染根管治療 ― 5:抜歯
正しい。
6の根管感染を治療し、保存困難な5を抜去する組合せです。
f.6:感染根管治療 ― 5:感染根管治療
誤り。
6には適切ですが、歯根破折と高度支持組織喪失が疑われる5は保存困難です。
覚えるポイント
- 6は感染根管治療、5は抜歯です。
- 孤立性の深いポケットは垂直性歯根破折を疑います。
- 打診痛、根尖像、プロービング、動揺を統合して歯内・歯周病変を鑑別します。
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