115A047|第115回 歯科医師国家試験 過去問
基礎歯科医学歯科理工学
金銀パラジウム合金と比較して純チタンが優れているのはどれか。 2つ選べ。
2つ選択
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正解: c・e
正答
c、e
この問題のポイント
純チタンの特徴である不動態皮膜による耐食性と優れた生体親和性を、加工・鋳造上の難しさと区別します。
解説
純チタンは、表面に安定した酸化チタンの不動態皮膜を速やかに形成します。この皮膜が金属イオンの溶出や腐食の進行を抑えるため、口腔内環境でも高い耐食性を示します。
また、組織反応が比較的少なく、生体親和性に優れます。この性質は歯科インプラントでオッセオインテグレーションを得るうえでも重要です。
一方、純チタンは高温で酸素や埋没材と反応しやすく、融点も高いため、通常の歯科用合金より鋳造管理が難しい材料です。切削時には熱がこもりやすく、工具への凝着なども生じるため、切削性や研磨性が特に優れるわけではありません。
ひっかけポイント
生体材料として優れていることと、技工操作が容易であることは別です。チタンは生体内では優秀ですが、加工・鋳造には専用の設備と条件が必要です。
選択肢の確認
a.研磨性
誤り。
チタンは表面が活性で工具へ凝着しやすく、研磨時に発熱もしやすいため、金銀パラジウム合金より研磨しやすい材料とはいえません。
b.切削性
誤り。
チタンは熱伝導率が低く、切削熱が局所に蓄積しやすいうえ、工具に凝着しやすいため、切削性が優れているとはいえません。
c.耐食性
正しい。
表面に形成される緻密な酸化チタン不動態皮膜によって腐食が抑えられ、口腔内でも高い耐食性を示します。
d.鋳造性
誤り。
高融点で高温時の化学反応性が高く、埋没材との反応や酸化を避ける必要があるため、鋳造性は金銀パラジウム合金より良好ではありません。
e.生体親和性
正しい。
安定した表面酸化膜によって組織刺激や金属イオン溶出が少なく、生体親和性に優れます。
覚えるポイント
- 純チタンの長所は耐食性と生体親和性です。
- チタンの耐食性は酸化チタンの不動態皮膜によります。
- 切削・研磨・鋳造は容易ではなく、専用器材や適切な条件が必要です。