115C008|第115回 歯科医師国家試験 過去問
2歳児の齲窩を有する上顎前歯の検査で信頼性が高いのはどれか。 1つ選べ。
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正解: e
正答
e
この問題のポイント
2歳児では、疼痛反応を本人の申告に頼る検査の再現性が低くなります。選択肢の中では、客観的に歯と周囲組織を評価できるエックス線撮影の信頼性が高いと判断します。
解説
幼児は、刺激の種類や強さを正確に理解して答えることが難しく、恐怖や不安によって反応が変わります。そのため、温度診や歯髄電気診などの感覚応答を利用する検査は、成人ほど安定した結果を得にくくなります。
エックス線撮影では、齲蝕の深さ、歯髄腔との位置関係、歯根吸収、根分岐部や根尖周囲の透過像、後継永久歯胚との関係などを客観的に評価できます。
ただし、エックス線画像だけで歯髄の生活状態を直接確定することはできません。病歴、視診、触診、腫脹、瘻孔、動揺、疼痛反応などと組み合わせて診断します。
小児歯科でのポイント
小児では年齢と協力度を考え、侵襲が少なく再現性の高い所見を組み合わせます。撮影は正当化し、必要最小限の範囲と線量で行います。
選択肢の確認
a.打 診
誤り。
歯根膜の炎症を評価する検査ですが、2歳児では刺激への恐怖や比較判断の難しさから反応の信頼性が低くなります。
b.温度診
誤り。
冷温刺激に対する歯髄の感覚反応をみますが、幼児では刺激の理解と表現が不安定で、偽陽性・偽陰性が生じやすくなります。
c.擦過診
誤り。
歯面を擦過した際の感覚反応を利用しますが、主観的反応に依存し、2歳児では高い再現性を期待しにくい検査です。
d.歯髄電気診
誤り。
神経線維の反応を調べる検査ですが、痛みの合図への理解と協力が必要です。乳歯では歯髄の状態や生理的歯根吸収も結果へ影響します。
e.エックス線撮影
正答。最も信頼性が高い検査です。
齲蝕の範囲、歯髄腔との距離、根分岐部・根尖部の変化を客観的に確認できます。
覚えるポイント
- 2歳児では主観的な疼痛検査の信頼性が低くなります。
- エックス線撮影は齲蝕の深さや周囲組織を客観的に評価できます。
- 歯髄診断は画像だけで決めず、臨床所見と総合します。