115C013|第115回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床小児歯科学
顎裂部骨移植術後 4日目の女児の顔貌写真 (別冊No. 1 )を別に示す。 皮膚の変色の原因はどれか。 1つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
術後の局所的な皮膚変色は、組織内へ漏出した赤血球の分解に伴う色素変化です。選択肢では、鉄を含む黄褐色の色素であるヘモジデリンを選びます。
解説
手術では小血管から血液が周囲組織へ漏出し、皮下出血を生じることがあります。漏出した赤血球は時間とともにマクロファージに貪食され、ヘモグロビンが分解されます。
ヘモグロビン由来の鉄は、細胞内でフェリチンとして蓄えられ、さらに集合してヘモジデリンとなります。ヘモジデリンは黄褐色から褐色を呈する鉄含有色素で、皮下出血部の色調変化に関与します。
画像の確認
実画像では、術後の片側頰部に限局した黄緑色から黄褐色の皮膚変色がみられ、全身性の黄染ではない。この局在性の色調変化は皮下出血の分解過程に合い、ヘモジデリンを選ぶ正答dを支える。
選択肢の確認
a.ケラチン
誤り。
表皮や毛髪、爪などを構成する線維性タンパク質です。術後の皮下出血による皮膚変色の原因ではありません。
b.メラニン
誤り。
メラノサイトが産生する褐色から黒色の色素で、紫外線や色素沈着に関与します。術後4日目の局所的な変色を説明しません。
c.ビリルビン
誤り。
ヘム分解で生じる黄色色素で、血中に増加すると黄疸を起こします。本症例のような術側に限局した皮下出血後の変色では、ヘモジデリンが選択されます。
d.ヘモジデリン
正しい。
赤血球崩壊後の鉄を含む黄褐色色素です。局所の出血後にマクロファージ内へ蓄積し、皮膚の変色に関与します。
e.ミオグロビン
誤り。
骨格筋や心筋に存在する酸素結合タンパク質です。筋損傷時に血中・尿中へ増加することがありますが、皮下出血後の代表的色素ではありません。
覚えるポイント
- ヘモジデリンは鉄を含む黄褐色色素です。
- 局所出血後、赤血球を貪食したマクロファージ内に蓄積します。
- 局所的な皮下出血と、全身性の黄疸を区別します。