115C024第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

8歳の女児。下顎前歯部の審美不良を主訴として来院した。診察の結果、下顎前 歯部に人工歯 4歯とECCEにワイヤークラスプを付与した部分床義歯を装着す ることとした。初診時の口腔内写真 (別冊No. 2A とエックス線画像 (別冊No. 2B を別に示す。 保護者への説明で正しいのはどれか。 3つ選べ。

115C024の問題画像
3つ選択
解答・解説を見る

正解: b・c・d

正答

b、c、d

この問題のポイント

成長期の小児へ部分床義歯を装着する場合は、顎顔面の成長、永久歯の萌出、乳歯の交換、装置への適応を継続的に確認する必要があります。

解説

症例は8歳で、混合歯列期にあります。口腔内写真では下顎前歯部に4歯分の欠損があり、部分床義歯で審美性と機能を補う計画です。エックス線画像では永久歯胚の有無を確認し、将来の萌出と乳歯の保存方針を考えます。

小児用義歯は、成人の義歯のように長期間同じ形態で使い続けるものではありません。顎堤や歯列弓の成長、永久歯の萌出、支台乳歯の交換に合わせて調整または再製作します。

ワイヤークラスプは、装着初期の維持と安定を補うために用います。患者が装置の着脱や使用に慣れた後は、成長や歯の萌出を妨げないよう、必要性を再評価して撤去・修正します。

エックス線画像では、左側下顎の乳歯のうち1歯に後継永久歯胚を認めない所見があり、この乳歯は自然な生え代わりが期待できません。保護者には、将来的な残存や補綴・矯正管理の可能性を説明します。

小児歯科でのポイント
小児義歯では、定期的に適合、床縁、咬合、クラスプ、支台歯、後継永久歯の萌出を確認します。夜間は外して粘膜を休ませ、義歯を清掃・保管します。

画像の確認

実画像では、混合歯列期の下顎前歯部に複数歯分の欠損空隙があり、パノラマ像では後継永久歯胚の発育状況と、後継歯胚を伴わない残存乳歯を確認できる。成長に追随できる可撤性装置とし、適応後のクラスプ調整・撤去や後継歯のない乳歯について説明する必要があることが、正答b、c、dを支える。

選択肢の確認

a.「人工の歯は乳歯用を使います」
誤り。
8歳では前歯部が永久歯列へ移行する時期です。人工歯は年齢、隣在永久歯、歯列弓、審美性に合わせて選択し、単純に乳歯用人工歯を用いるとは限りません。

b.「慣れてきたら針金を撤去します」
正しい。
ワイヤークラスプは装着初期の維持を補うために用い、義歯へ適応した後は、成長や歯の萌出への影響を考えて撤去・修正します。

c.「成長とともに作り替えをしていきます」
正しい。
小児では顎骨・歯列が成長し、永久歯も萌出します。義歯の適合と咬合が変化するため、定期的な調整と再製作が必要です。

d.「左下に生え代わらない乳歯が 1本あります」
正しい。
エックス線画像で、左側下顎の乳歯1歯に対応する後継永久歯胚を認めません。この乳歯は通常の歯の交換が起こらない可能性があります。

e.「夜寝る時もつけたままにしておいてください」
誤り。
原則として就寝時は義歯を外し、口腔粘膜を休ませます。義歯の清掃と安全な保管も必要です。

覚えるポイント

  • 小児義歯は成長と萌出に合わせて調整・再製作します。
  • 後継永久歯の有無はエックス線画像で確認します。
  • 就寝時は原則として義歯を外し、粘膜の休息と清掃を行います。

関連問題

115C023115C025
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)