115C077第115回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床歯周病学

66 歳の女性。下顎左側臼歯部の違和感を主訴として来院した。 5年前から骨粗 鬆症の治療を受けているという。慢性歯周炎と診断し、歯周基本治療を行った。初 診時の口腔内写真 (別冊No. 30A とエックス線画像 (別冊No. 30B を別に示す。再 評価時の歯周組織検査結果の一部を表に示す。 舌 側* ⑤ 歯 種 頰 側* ⑥ 動揺度** 000* :プロービング深さ (mm )〇印:プロービング時の出血 ** :Millerの判定基準 続いて行うのはどれか。 2つ選べ。

115C077の問題画像
2つ選択
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正解: c・e

正答

c、e

この問題のポイント

歯周基本治療後も深い歯周ポケットと垂直性骨欠損が残る場合、歯周組織再生療法を検討します。また、骨粗鬆症治療薬の内容によって外科処置の注意点が変わるため、内科主治医への対診が必要です。

解説

症例は66歳で、下顎左側臼歯部の慢性歯周炎に対して歯周基本治療を行っています。再評価時にも5〜6 mm程度の歯周ポケットが残り、エックス線画像では限局した垂直性骨欠損が確認できます。

垂直性骨欠損では、欠損形態、残存骨壁数、プラークコントロール、喫煙、全身状態などの条件が良ければ、**組織再生誘導法〈GTR〉**によって歯根膜・セメント質・歯槽骨の再生を図ることができます。

一方、患者は5年前から骨粗鬆症治療を受けています。ビスホスホネート製剤やデノスマブなどの骨吸収抑制薬を使用している可能性があります。歯周外科手術の前に、薬剤名、投与経路、投与期間、最終投与時期、骨折リスク、併存疾患を確認するため、内科主治医へ対診します。

休薬は歯科医師が一律に決めるものではありません。顎骨壊死リスクと骨粗鬆症性骨折リスクを比較し、患者・主治医と連携して治療計画を立てます。

全身管理上の注意点
「骨粗鬆症治療中」という情報だけでは薬剤とリスクを確定できません。外科処置前に処方内容を確認します。

画像の確認

実画像では、下顎左側臼歯部の歯間に深い骨縁下欠損があり、表には基本治療後も5〜6 mmのポケットが残る一方で動揺度0と示されている。この限局した垂直性欠損には組織再生誘導法が適応となり、骨粗鬆症治療中という情報から主治医対診も必要であるため正答c、eを支える。

選択肢の確認

a.咬合調整
誤り。
動揺度は0で、咬合性外傷を示す所見が中心ではありません。垂直性骨欠損と残存ポケットに対する根本的な再生治療にはなりません。

b.歯肉切除術
誤り。
歯肉切除術は骨縁上ポケットなどで行います。垂直性骨欠損を伴う部位で歯肉を切除すると、付着歯肉の減少や歯根露出を招き、再生の機会を失います。

c.組織再生誘導法
正しい。
歯周基本治療後に残存した限局性垂直性骨欠損に対し、歯周組織再生を目的として検討します。

d.歯周ポケット搔爬術
誤り。
ポケット内壁の炎症組織を搔爬する処置ですが、垂直性骨欠損を積極的に再生させる治療ではありません。本症例では再生療法が適します。

e.内科主治医への対診
正しい。
骨粗鬆症治療薬の種類と投与状況を確認し、外科処置に伴う顎骨壊死リスクと全身的な骨折リスクを踏まえて連携します。

覚えるポイント

  • 垂直性骨欠損では歯周組織再生療法を検討します。
  • 骨粗鬆症治療中は薬剤名・投与経路・期間を確認します。
  • 骨吸収抑制薬の休薬は一律に決めず、主治医と連携します。

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