116A086|第116回 歯科医師国家試験 過去問
25 歳の女性。上顎両側側切歯の審美不良を主訴として来院した。同部の歯冠形 態は、萌出時から変わっていないという。歯髄電気診で生活反応を示した。診察の 結果、セラミックスによる修復を行うこととした。初診時の口腔内写真(別冊 No. 36A)と製作した修復物の写真(別冊No. 36B、C)を別に示す。 この治療方法で正しいのはどれか。1 つ選べ。

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正解: a
正答
a
この問題のポイント
萌出時から形態異常のある生活歯へ、歯質削除を最小限にした接着性セラミック修復を行う場面です。
解説
上顎側切歯の矮小歯などに対しては、セラミックラミネートベニアや追加型の接着性修復で形態を改善できます。写真の修復法は歯質削除がほとんどない、または全くない方法であるため、浸潤麻酔を必要としないことが特徴です。
保持は歯面処理とレジンセメントによる接着が主体です。シラン処理は通常、シリカ系セラミックス修復物の内面へ行い、支台歯にはエッチングやプライマー・ボンディング処理を行います。
画像の確認
実画像では、上顎側切歯が左右とも小さな円錐状で、薄いシェル状セラミック修復物の表裏面と、歯列模型上に追加された形態が示されている。歯質削除をほとんど伴わず接着で形態を回復するため、浸潤麻酔を必要としないとする正答aを支える。
選択肢の確認
a.浸潤麻酔を必要としない。
正しい。
歯質削除を行わない、または極めて少ない接着性修復では、通常は浸潤麻酔を必要としません。
b.支台歯にシラン処理を行う。
誤り。
シラン処理は主にシリカ系セラミックス修復物の接着面に行います。支台歯へ行う処理ではありません。
c.遠心面は象牙質まで形成する。
誤り。
接着に有利なエナメル質を可能な限り保存し、遠心面を意図的に象牙質まで形成する方法ではありません。
d.偏心運動時のガイドは修復物が主体となる。
誤り。
薄い審美修復物へ大きな偏心力を集中させるべきではなく、ガイドの主体とするのは破折リスクを高めます。
e.保持力の主体は支台歯近遠心面の拮抗作用である。
誤り。
保持力の主体は近遠心面の拮抗作用ではなく、エナメル質とセラミックスへの接着です。
覚えるポイント
- ラミネートベニアは歯質保存性の高い接着性修復です。
- シラン処理はセラミックス内面へ行います。
- 保持は機械的嵌合より接着が主体です。