116B035第116回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床保存修復学

暫間固定を行う下顎前歯部の口腔内写真(別冊No. 11A)とエックス線画像(別冊 No. 11B)を別に示す。 適切な方法はどれか。1 つ選べ。

116B035の問題画像
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正解: e

正答

e

この問題のポイント

暫間固定法は、歯の動揺度、残存歯質、固定期間、清掃性、侵襲度から選択します。

解説

提示症例は下顎前歯部の動揺歯を、歯質削除を最小限にして一時的に連結する場面です。隣接歯の舌側・隣接面エナメル質を酸処理し、接着性レジンで連結するエナメルボンディングレジン固定が適します。短時間で行え、比較的審美性に優れ、必要時に除去しやすい方法です。

治療選択のポイント
暫間固定は動揺を完全になくすことではなく、生理的範囲に抑えて歯周組織の安静と機能を両立させます。固定後もプラークコントロールが可能な形態にします。

画像の確認

実画像では、下顎前歯部に歯肉退縮と歯根露出があり、歯間空隙も目立つ一方、唇側には接着に利用できる歯冠エナメル質が残っている。デンタルエックス線像では前歯部の歯槽骨高径が低下しており動揺が想定されるため、歯質削除を伴う冠ではなく低侵襲なエナメルボンディングレジン固定を選ぶ根拠になる。

選択肢の確認

a.連結前装冠
この条件では最も適切ではありません。
連結前装冠は支台歯形成を伴う固定性補綴で侵襲が大きく、暫間固定として最初に選ぶ方法ではありません。

b.舌面板接着固定
この条件では最も適切ではありません。
舌面板接着固定は金属製の舌面板を接着する方法で、技工操作を要し、本症例の直接的な暫間固定より複雑です。

c.プロビジョナル固定
この条件では最も適切ではありません。
プロビジョナル固定は補綴装置を用いる場面で選択されますが、提示された前歯部を最小侵襲で直接連結する方法としては適しません。

d.ワイヤーレジン固定
この条件では最も適切ではありません。
ワイヤーレジン固定は大きな動揺や外傷歯などでワイヤー補強が必要な場合に用いますが、提示状態ではワイヤーを加えない接着性レジン固定で対応できます。

e.エナメルボンディングレジン固定
正答。最も適切です。
エナメル質に接着処理を行い、レジンで隣接歯を連結する低侵襲な暫間固定で、本症例に適します。

覚えるポイント

  • 暫間固定は低侵襲、清掃性、除去可能性を重視する。
  • エナメルボンディングレジン固定は直接法で行える。
  • 固定後も原因除去と歯周基本治療が必要。

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