116B042|第116回 歯科医師国家試験 過去問
右側口底部の違和感を主訴として来院した患者の、初診時の口腔内写真(別冊 No. 15A)とエックス線画像(別冊No. 15B)を別に示す。 インフォームドコンセントにおいて、治療を行わない場合の説明で適切なのはど れか。1 つ選べ。

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正解: b
正答
b
この問題のポイント
口底の硬い腫瘤とエックス線不透過像から顎下腺管内唾石を考え、無治療時の自然経過を説明します。
解説
口底部の腫脹と、下顎咬合法エックス線画像で顎下腺管走行部にみられる不透過像は顎下腺管内唾石を示します。唾液流出が妨げられると、とくに食事時に顎下腺が腫脹・疼痛し、二次感染による顎下腺炎を起こすことがあります。したがって、治療を行わない場合には「顎の下が腫れる可能性」を説明します。
画像の確認
実画像では、右側口底の舌下小丘付近に発赤した半球状の腫脹があり、下顎咬合法エックス線像では口底の導管走行部に小さな卵円形の不透過像がみえる。顎下腺管を閉塞する唾石を示唆する組合せであり、無治療なら食事時などに顎下腺側が腫脹し得るため「顎の下が腫れる」と説明する。
選択肢の確認
a.「口が乾く可能性があります」
この条件では最も適切ではありません。
片側顎下腺管の閉塞だけで、口腔全体の乾燥が主症状になるとは限りません。両側多腺性の唾液分泌低下とは異なります。
b.「顎の下が腫れる可能性があります」
正答。最も適切です。
唾石による導管閉塞で顎下腺内圧が上がると、食事時を中心に顎下部が腫脹する可能性があります。
c.「口が開かなくなる可能性があります」
この条件では最も適切ではありません。
開口障害は咀嚼筋隙感染や顎関節疾患などで問題になりますが、顎下腺管唾石の代表的な無治療経過ではありません。
d.「舌が動きにくくなる可能性があります」
この条件では最も適切ではありません。
舌運動障害は舌下神経障害などで生じます。唾石を放置した際の典型的説明ではありません。
e.「舌の感覚が鈍くなる可能性があります」
この条件では最も適切ではありません。
舌の感覚低下は舌神経障害で生じ、顎下腺管唾石の自然経過として通常説明する内容ではありません。
覚えるポイント
- 顎下腺唾石は食事時の顎下部腫脹・疼痛。
- 顎下腺管前方の唾石は咬合法で確認しやすい。
- インフォームド・コンセントでは無治療時の経過も説明する。