116C023|第116回 歯科医師国家試験 過去問
59 歳の男性。下顎右側第一大臼歯の冷水痛を主訴として来院した。歯髄電気診 に生活反応を示した。初診時の口腔内写真(別冊No. 3A)、窩洞形成終了後の口腔 内写真(別冊No. 3B)、接着処理を行った後の修復操作中の口腔内写真(別冊No. 3 C)及び修復操作後の口腔内写真(別冊No. 3D)を別に示す。 この充塡法で得られる効果はどれか。1 つ選べ。

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正解: e
正答
e
この問題のポイント
写真の充塡法は、未重合の低粘度レジン上に高粘度コンポジットレジンを圧接して一括重合する方法で、窩底適合と重合収縮ギャップの抑制を狙います。
解説
写真Cでは、窩底に流動性の高いコンポジットレジンを置いた状態で、その上から通常粘度のコンポジットレジンを圧接しています。低粘度材料が窩壁の微細な凹凸へ流れ込み、上層材料の圧接によって余剰が押し出されることで、窩底への適合性を高めます。
この方法は一般にスノープロウテクニックとして説明され、低粘度レジンと上層レジンを同時に重合することでコントラクションギャップを抑制します。
画像の確認
実画像では、咬合面窩洞形成後のBに広く象牙質が露出し、Cでは窩底へ流動性の高い材料を置いた上から別のコンポジットレジンを重ねて圧接している。Dでは窩洞が一体的に修復されており、低粘度材を窩壁へ行き渡らせたまま上層材と重合する操作がコントラクションギャップの抑制につながる。
選択肢の確認
a.研磨性の向上
誤り。研磨性は主にフィラー粒径、フィラー量、重合状態、仕上げ研磨操作に左右されます。
b.透明性の向上
誤り。透明性の向上を主目的とする充塡法ではありません。
c.象牙質の即時封鎖
誤り。象牙質の即時封鎖は間接修復の支台歯形成直後に象牙質接着を完成させる概念です。本問の充塡法の主効果とは異なります。
d.遊離エナメル質の保護
誤り。遊離エナメル質の保護を目的とした裏層や支持付与の方法ではありません。
e.コントラクションギャップの防止
正しい。この充塡法は窩底への適合を高め、重合収縮に伴うコントラクションギャップを防止・抑制します。
覚えるポイント
- 低粘度レジンは窩壁適合性を高める。
- スノープロウテクニックは低粘度材と上層材を同時重合する。
- 重合収縮は辺縁漏洩、知覚過敏、二次う蝕の原因になる。