116C064|第116回 歯科医師国家試験 過去問
4 歳の男児。上顎前歯部の変色を主訴として来院した。6 か月前に転倒し顔面を 強打したという。上顎右側乳中切歯には自発痛はなく打診痛があり、歯髄電気診に 生活反応を示さなかった。初診時の口腔内写真(別冊No. 24A)とエックス線画像 (別冊No. 24B)を別に示す。 適切な対応はどれか。1 つ選べ。

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正解: d
正答
d
この問題のポイント
乳歯外傷後の変色、生活反応消失、打診痛は歯髄壊死と根尖歯周組織への炎症波及を示し、感染根管治療が必要です。
解説
転倒から6か月後に乳中切歯が変色し、歯髄電気診で生活反応を示さず、打診痛があります。歯髄壊死後に根管内感染が成立し、根尖性歯周炎を生じた状態と考えます。
乳歯の根管治療では後継永久歯胚を傷つけないように作業長、根管形成、薬剤選択、根管充填材に配慮します。保存困難、著しい根吸収、後継永久歯への危険がある場合は抜歯を検討しますが、本問では感染根管治療が適切です。
症例問題の解き方
外傷からの経過、色調、生活反応、打診痛、根尖・根分岐部透過像を組み合わせて診断します。
画像の確認
実画像では、上顎右側乳中切歯が隣在歯より灰色調に変色し、外傷後の歯髄変性を疑う外観である。エックス線像では乳歯根と後継永久中切歯胚の位置関係が確認でき、著しい根吸収や保存不能な破折はみえないため、本文の生活反応消失・打診痛を合わせて抜歯ではなく感染根管治療を選ぶ。
選択肢の確認
a.経過観察
誤り。生活反応消失と打診痛があり、無処置の経過観察では感染が持続します。
b.生活歯髄切断
誤り。生活歯髄切断は生活歯髄を保存する処置であり、歯髄壊死歯には適応がありません。
c.抜 髄
誤り。抜髄は生活歯髄を除去する処置で、本症例はすでに壊死・感染しているため感染根管治療を行います。
d.感染根管治療
正しい。歯髄壊死と根尖性歯周炎が疑われるため、感染根管治療が適切です。
e.抜 歯
誤り。抜歯が必要な所見は示されておらず、保存可能であれば乳歯の機能維持を図ります。
覚えるポイント
- 外傷後変色と生活反応消失は歯髄壊死を疑う。
- 打診痛は歯根膜・根尖歯周組織への炎症波及を示す。
- 乳歯根管治療では後継永久歯胚を保護する。