116C066第116回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

9 歳の男児。かかりつけ歯科医で過剰歯を指摘され来院した。全顎的に精査する ためパノラマエックス線とCT を撮影した。診断の結果、過剰歯を抜去することと した。初診時の口腔内写真(別冊No. 25A)、エックス線画像(別冊No. 25B)及び CT(別冊No. 25C)を別に示す。 抜歯の根拠はどれか。1 つ選べ。

116C066の問題画像
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正解: d

正答

d

この問題のポイント

過剰歯は無症状でも、隣接永久歯の萌出障害、歯根吸収、歯列不正、囊胞形成の危険があれば抜去します。

解説

CTでは過剰歯と上顎左側中切歯歯根の近接関係を三次元的に評価できます。本症例では過剰歯が中切歯歯根へ接近し、将来の歯根吸収が懸念されるため抜歯の根拠になります。

正中離開だけで直ちに抜歯を決めるのではなく、過剰歯の方向、位置、隣接歯根への影響、萌出障害、手術侵襲を比較します。

画像の確認

実画像では、パノラマ像に上顎前歯部の過剰歯が中切歯根と重なって描出され、CT矢状断でも過剰歯が上顎左側中切歯歯根の近くへ位置している。現在の口腔内に目立つ正中離開や交叉咬合はなく、画像から直接懸念される隣接中切歯根への圧迫・吸収リスクが抜去根拠となる。

選択肢の確認

a.正中離開がある。
誤り。正中離開は過剰歯に関連し得ますが、提示画像で抜歯を決める最も重要な根拠は歯根吸収リスクです。

b.鼻腔を貫通する可能性がある。
誤り。鼻腔方向への位置だけで、鼻腔貫通の可能性を抜歯根拠とする所見ではありません。

c.上顎左側中切歯の歯根が未完成である。
誤り。9歳で中切歯歯根が未完成であること自体は生理的発育段階で、抜歯の根拠ではありません。

d.上顎左側中切歯の歯根吸収の可能性がある。
正答。最も適切です。過剰歯が上顎左側中切歯歯根に近接し、歯根吸収を起こす可能性があります。

e.上顎左側中切歯が交叉咬合になる可能性がある。
誤り。交叉咬合の可能性より、画像で直接確認できる隣接歯根への障害リスクを優先します。

覚えるポイント

  • 過剰歯の適応は萌出障害・歯根吸収・囊胞形成などで判断。
  • CTで頰口蓋的位置と歯根との距離を確認する。
  • 手術時は未完成永久歯根を損傷しない。

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