116D052|第116回 歯科医師国家試験 過去問
6 歳の男児。多数歯齲蝕を主訴として来院した。出生時から皮膚や爪に異常がみ られ、足には合指症を認める。初診時の口腔内写真(別冊No. 16A)と手の写真(別 冊No. 16B)を別に示す。 歯科治療に際して留意すべき事項はどれか。2 つ選べ。

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正解: c・e
正答
c、e
この問題のポイント
皮膚・爪の先天異常と合指症、口腔内の多数歯齲蝕から、皮膚・粘膜が脆弱で瘢痕拘縮を生じる疾患を考えます。
解説
この患児では、皮膚・口腔粘膜が機械的刺激で損傷しやすく、瘢痕による口裂狭小や舌運動制限が起こり得ます。そのため術野の確保が困難になり、歯ブラシで口腔粘膜を強く刷掃すると水疱・びらんを生じる危険があります。
医療安全上のポイント
器具や吸引管による摩擦を最小限にし、潤滑、軟らかい清掃用具、短時間の処置を心掛けます。局所麻酔は必要に応じて使用できます。
画像の確認
実画像では、口裂が瘢痕で狭く、口唇周囲にびらん・痂皮があり、限られた視野内の多数歯に広範なう蝕がみえる。両手は皮膚が光沢性に瘢痕化し、指の癒着・短縮変形を伴っており、機械的刺激に弱い皮膚粘膜と拘縮を示すため、術野確保が困難で粘膜を歯ブラシで擦らない配慮が必要となる。
選択肢の確認
a.局所麻酔は使用しない。
誤り。局所麻酔そのものを一律に禁止する疾患ではありません。粘膜損傷を避けて慎重に行います。
b.全身麻酔が推奨される。
誤り。全身麻酔が常に推奨されるわけではなく、気道粘膜の損傷リスクもあるため適応を慎重に判断します。
c.術野の確保が困難である。
正しい。口裂狭小、瘢痕、粘膜脆弱性などにより術野の確保が困難になります。
d.ハンドオーバーマウス法で対応する。
誤り。ハンドオーバーマウス法は身体的抑制を伴う旧来の行動調整で、粘膜脆弱性のある患児には不適切です。
e.歯ブラシでの口腔粘膜の刷掃は避ける。
正しい。歯ブラシによる粘膜への機械的刺激は水疱やびらんを起こすため避けます。
覚えるポイント
- 皮膚・粘膜脆弱性では摩擦を最小限にします。
- 口裂狭小や瘢痕により術野確保が難しくなります。
- 清掃は軟らかい器具で歯面中心に行います。