117A081|第117回 歯科医師国家試験 過去問
55 歳の男性。上顎右側臼歯部口蓋側からのブラッシング時の出血を主訴として 来院した。半年前から気付いていたが痛みがないのでそのままにしていたという。 患者のBrinkman 指数は600 で、歯科受診をきっかけに1 か月以内の禁煙開始を検 討している。初診時の口腔内写真(別冊No. 28A)とエックス線画像(別冊No. 28B) を別に示す。歯周組織検査結果の一部を表に示す。 頰 側* 3 2 ④ 3 2 2 3 2 3 歯 種 7 6 5 口蓋側* ③ ④ ⑤ ④ ④ ③ ④ ④ ④ 動揺度** 0 0 0 * :プロービング深さ(mm) 〇印:プロービング時の出血 ** :Miller の判定基準 歯周治療にあたり、適切な対応はどれか。3 つ選べ。

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正解: a・c・d
正答
a、c、d
この問題のポイント
歯周治療に組み込む禁煙支援では、患者の準備性を確認し、具体的な禁煙開始日を決め、禁煙の利益を説明して行動変容を支援します。
解説
Brinkman指数600は長期・大量の喫煙曝露を示します。喫煙は歯周炎の発症・進行、歯周治療後の治癒不良、インプラント周囲疾患などのリスクです。本患者は1か月以内の禁煙を検討しており、準備期にあります。
禁煙開始日を具体的に設定し、歯周治療の予後改善を説明します。歯面の外因性色素沈着は機械的歯面清掃で除去し、口腔内の変化を禁煙継続の動機づけに利用できます。
禁煙支援のポイント
「関心の有無を確認する→利益を説明する→開始日を決める→必要に応じ専門外来へ連携する→継続支援」の流れで進めます。
画像の確認
実画像では、上顎右側臼歯の口蓋面と歯頸部に褐色から黒褐色の外来性色素が広く付着し、周囲歯肉にも発赤が見える。色素沈着部の歯面研磨が画像から必要と分かり、禁煙開始を検討中という設問情報と合わせて開始日決定・禁煙効果説明を行う正答a・c・dにつながる。
選択肢の確認
a.禁煙開始日を決定する。
正しい。
1か月以内の禁煙を検討しているため、具体的な禁煙開始日を患者と決めることが行動開始につながります。
b.禁煙補助薬を処方する。
誤り。
禁煙補助薬は適応、禁忌、併存疾患を評価して適切な禁煙治療体制で用います。歯周治療の場で直ちに処方する対応としては選びません。
c.色素沈着部位の歯面研磨を行う。
正しい。
喫煙による外因性色素沈着は歯面研磨で除去でき、口腔衛生改善と禁煙動機づけに役立ちます。
d.歯周治療への禁煙の効果を説明する。
正しい。
禁煙により歯周治療への反応や創傷治癒が改善することを説明し、患者の意思決定を支援します。
e.低ニコチンタバコへの変更を勧める。
誤り。
低ニコチンタバコへの変更は禁煙ではなく、吸い方の代償で曝露が続くこともあるため勧めません。
覚えるポイント
- 喫煙は歯周病の重大な修飾因子です。
- 準備期では禁煙開始日を決めることが有効です。
- 低ニコチン製品への変更ではなく完全禁煙を目標にします。