117A083|第117回 歯科医師国家試験 過去問
歯科臨床小児歯科学
3 か月の男児。哺乳困難を主訴として来院した。これまで母乳を飲んでいたが、 数日前から哺乳を嫌がるようになったという。初診時の口腔内写真(別冊No. 30)を 別に示す。 適切な対応はどれか。2 つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る
正解: c・e
正答
c、e
この問題のポイント
乳児の口腔内潰瘍による哺乳困難では、脱水を防ぎ、局所炎症と疼痛を軽減する保存的対応を行います。
解説
3か月児で、これまで可能だった哺乳を数日前から嫌がる場合、口腔内の疼痛性潰瘍が摂取低下の原因になり得ます。乳児の口蓋部にみられる外傷性潰瘍〈Bednarアフタなど〉では、機械的刺激を見直し、水分補給を確保して脱水を防ぎます。
局所には年齢と病変に配慮しながら副腎皮質ステロイド軟膏を用い、炎症と疼痛を軽減することがあります。
画像の確認
実画像では、乳児の上顎歯槽粘膜に強い発赤が広がり、左右後方部と正中口蓋側に黄白色の浅い潰瘍が複数見える。哺乳低下による脱水を防ぐ水分補給と、局所炎症を抑える副腎皮質ステロイド軟膏を選ぶ正答c・eにつながる。
選択肢の確認
a.抗菌薬の投与
誤り。
細菌感染を示す所見が明示されておらず、抗菌薬の投与は基本対応ではありません。
b.人工乳への変更
誤り。
母乳を人工乳へ変更しても口腔内病変そのものは治療できず、母乳を一律に中止する必要はありません。
c.水分補給の指示
正しい。
哺乳量低下による脱水を防ぐため、水分補給を指示し摂取量と尿量を確認します。
d.ビタミンB 製剤の投与
誤り。
ビタミンB欠乏を示す所見はなく、ビタミンB製剤が第一選択ではありません。
e.副腎皮質ステロイド軟膏の塗布
正しい。
疼痛性炎症性潰瘍に対し、副腎皮質ステロイド軟膏で局所炎症を抑えることが適切です。
覚えるポイント
- 乳児の哺乳困難では脱水の有無を最初に確認します。
- 外傷性潰瘍では原因刺激の除去と局所消炎を行います。
- 発熱、活気低下、尿量減少があれば小児科連携を急ぎます。