117C081第117回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床保存修復学

52 歳の男性。上顎左側中切歯の充塡物辺縁の不適合を主訴として来院した。8 年前に処置を受け、症状なく経過していたが、2 か月前からデンタルフロスでの清 掃時に抵抗感を自覚するようになったという。検査の結果、コンポジットレジン修 復を行うこととした。初診時の口腔内写真(別冊No. 35A)、エックス線画像(別冊 No. 35B)及び操作過程の一部の写真(別冊No. 35C)を別に示す。 ①~③の操作の目的はどれか。2 つ選べ。

117C081の問題画像
2つ選択
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正解: d・e

正答

d、e

この問題のポイント

コンポジットレジンの積層充塡は、色調再現重合収縮応力の緩和に有効です。

解説

異なる透明度・色調のレジンを少量ずつ積層すると、象牙質色、エナメル質の透明感、切縁の光学特性を再現しやすくなります。各層を小さくして光照射することで、重合収縮量と収縮応力を分散できます。

C-value〈C-factor〉は窩洞の接着面数と非接着面数の比で、窩洞形態によって決まる概念です。積層法は収縮応力を軽減しますが、元の窩洞形態そのもののC-valueを変えると表現するものではありません。

画像の確認

実画像では、上顎左側中切歯近心の旧修復部が除去され、①から③で異なる色調のレジンを分割充塡し、その都度光照射している。色層を重ねる操作は色調適合を高め、少量ずつ重合する操作は収縮応力を緩和するため、正答d・eを支える。

選択肢の確認

a.研磨性の向上
誤り。
研磨性はフィラー粒径、材料組成、研磨操作などに左右され、積層充塡の主目的ではありません。

b.C-value の軽減
誤り。
C-valueは窩洞形態に基づく比であり、積層操作によって元の窩洞のC-value自体を小さくするものではありません。

c.気泡の混入防止
誤り。
気泡混入防止には材料操作と器具の挿入方法が重要ですが、①~③の主要目的ではありません。

d.色調適合性の向上
正しい。
色調・透明度の異なる材料を積層し、天然歯に近い色調を再現します。

e.重合収縮応力の緩和
正しい。
少量ずつ重合することで重合収縮応力を分散・緩和します。

覚えるポイント

  • 積層充塡は審美性と収縮応力対策に有効。
  • 象牙質色とエナメル質の透明感を層で再現する。
  • C-factorは窩洞形態で決まる。

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