117D028|第117回 歯科医師国家試験 過去問
10 歳の女児。齲蝕治療を希望して来院した。自閉スペクトラム症と診断されて おり、歯科治療を行うにあたり行動調整法を用いた。その際に用いたツールの一部 (別冊No. 3)を別に示す。 適用した対応法はどれか。2 つ選べ。

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正解: a・e
正答
a、e
この問題のポイント
自閉スペクトラム症児では、治療手順の視覚化と、望ましい行動を報酬で強化する方法を組み合わせます。
解説
提示されたツールには、歯科処置を絵で順番に示す視覚的な手順表と、各処置の達成ごとに10ポイントを付与し、100ポイントで「ごほうび」と交換する仕組みが描かれています。
視覚的に「何を、どの順番で、どこまで行うか」を構造化するのはTEACCH法です。達成した行動にトークンを与え、一定数を強化子と交換するのはトークンエコノミー法です。両者により予測不能性を減らし、治療協力行動を増やします。
画像の確認
実画像では、歯磨きや診療操作を順番に描いた視覚カードに、各工程10ポイントと100ポイント後の褒美が併記されている。視覚的構造化を行うTEACCH法と、ポイントを強化子に交換するトークンエコノミー法を選ぶ正答a・eを支える。
選択肢の確認
a.TEACCH 法
正しい。絵で治療手順を明確にし、見通しを持たせる視覚的構造化はTEACCH法に該当します。
b.モデリング法
誤り。モデリング法は他者の治療行動を観察し、模倣によって適応を促す方法です。提示図の中心ではありません。
c.Tell-Show-Do 法
誤り。Tell-Show-Do法は言葉で説明し、器具や操作を見せてから実施する方法で、ポイント交換制度そのものではありません。
d.レスポンスコスト法
誤り。レスポンスコスト法は不適切行動に対して既に獲得したトークンなどを減らす方法です。図は望ましい行動に加点しています。
e.トークンエコノミー法
正しい。処置ごとにポイントを与え、100ポイントでごほうびと交換する仕組みはトークンエコノミー法です。
覚えるポイント
- TEACCH法は視覚的構造化と予測可能性を重視する。
- トークンエコノミー法は望ましい行動への正の強化。
- レスポンスコスト法は獲得済み強化子を減らす方法。