118D041|第118回 歯科医師国家試験 過去問
1 歳の男児。下顎乳前歯の動揺を主訴として来院した。患児に口腔外傷の既往は なく、保護者によるブラッシング時に気付いたという。初診時の口腔内写真(別冊 No. 15A)とエックス線画像(別冊No. 15B)を別に示す。 疑われるのはどれか。2 つ選べ。

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正解: c・d
正答
c、d
この問題のポイント
外傷がない乳幼児の乳歯早期動揺では、歯周支持組織の形成異常や重度感染を起こす全身疾患を考えます。先天性好中球減少症と低ホスファターゼ症が重要です。
解説
先天性好中球減少症では重篤な歯周感染が早期から起こり、乳歯の動揺や早期脱落を生じることがあります。低ホスファターゼ症ではアルカリホスファターゼ活性低下によりセメント質形成が障害され、歯根が十分形成されていても乳歯が早期脱落します。
症例問題の解き方
乳歯早期脱落では、外傷、重度歯周炎、セメント質異常、歯の形成異常、家族歴を確認します。
画像の確認
実画像Aでは1歳児の下顎乳前歯が萌出している一方、歯頸部周囲の支持が乏しく動揺を説明する外観である。Bでは乳前歯周囲の歯槽骨が大きく失われ、歯根も短く見える。外傷なしで乳歯が早期に動揺・脱落する像から、重い歯周組織障害を来す先天性好中球減少症と、セメント質形成不全を来す低ホスファターゼ症を疑う。
選択肢の確認
a.軟骨無形成症
誤り。
軟骨無形成症は低身長や四肢短縮が中心で、1歳での乳前歯早期動揺の代表原因ではありません。
b.鎖骨頭蓋骨異形成症
誤り。
鎖骨頭蓋骨異形成症では多数の過剰歯や永久歯萌出遅延が重要で、乳歯の重度動揺を主徴としません。
c.先天性好中球減少症
正しい。
先天性好中球減少症では感染防御低下から早期重度歯周炎を生じ、乳歯動揺・脱落の原因になります。
d.低ホスファターゼ症
正しい。
低ホスファターゼ症ではセメント質形成不全により乳歯が早期に動揺・脱落することがあります。
e.先天性外胚葉形成不全
誤り。
先天性外胚葉形成不全では欠如歯や円錐歯がみられますが、乳歯早期動揺の代表原因ではありません。
覚えるポイント
- 乳歯早期脱落では低ホスファターゼ症を疑います。
- 重度の早期歯周炎では好中球異常を考えます。
- 外傷歴がないことが全身疾患を疑う手掛かりです。