119D078第119回 歯科医師国家試験 過去問

歯科臨床小児歯科学

7 歳の女児。前歯の咬み合わせが悪いことを主訴として来院した。機能性下顎前 突と診断し、リンガルアーチ装着までの予防的な管理としてスライディングプレー トを使用することとした。初診時の顔面写真(別冊No. 25A)と口腔内写真(別冊 No. 25B)を別に示す。 防止できるのはどれか。3 つ選べ。

119D078の問題画像
3つ選択
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正解: a・c・d

正答

a、c、d

この問題のポイント

機能性下顎前突の予防的管理で用いるスライディングプレートは、反対咬合による外傷性の咬合を解除し、過蓋咬合、上顎前歯の舌側傾斜、下顎前歯部の歯肉退縮を防ぐ目的があります。

解説

機能性下顎前突では、前歯部の早期接触や咬頭干渉を避けるために下顎が前方偏位し、反対咬合を示すことがあります。成長期にこの状態が続くと、前歯の代償性傾斜や歯周組織への外傷が進みます。

スライディングプレートは、上下前歯の咬合干渉を解除して下顎の誘導路を整え、永久的な装置を装着するまでの間に外傷性咬合の悪化を防ぐために用います。

小児歯科のポイント
機能性下顎前突では、下顎後退位で前歯被蓋が改善するかを確認し、骨格性下顎前突と鑑別します。

画像の確認

実画像A・Bでは機能性反対咬合に加え、上顎前歯の舌側傾斜、深い前歯被蓋、下顎前歯唇側歯肉への負担がみられる。スライディングプレートで早期に咬合を誘導すると、過蓋咬合の進行、上顎前歯のさらなる舌側傾斜、下顎前歯部の歯肉退縮を防ぎやすい。

選択肢の確認

a.過蓋咬合
正しい。
反対咬合が固定化して前歯部の垂直被蓋が深くなることを抑え、過蓋咬合の進行を防ぎます。

b.舌突出癖
誤り。
舌突出癖は舌の機能訓練や習癖除去が必要で、スライディングプレートの主な予防効果ではありません。

c.上顎前歯の舌側傾斜
正しい。
反対咬合による圧力で上顎前歯が舌側傾斜するのを防ぎます。

d.下顎前歯部の歯肉退縮
正しい。
下顎前歯への外傷性咬合と唇側歯周組織への負担を軽減し、歯肉退縮を防ぎます。

e.上顎歯列正中線の偏位
誤り。
上顎歯列正中線の偏位は側方偏位や歯数・空隙の問題と関連し、本装置で直接防ぐものではありません。

覚えるポイント

  • 機能性下顎前突では咬合干渉による下顎前方偏位を確認します。
  • 早期対応で前歯の代償性傾斜と歯周組織障害を防ぎます。
  • 骨格性か機能性かは下顎後退位で評価します。

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