Y2022M10E1Q15|第2022年10月公表(第一種) 第一種・第二種衛生管理者免許試験 過去問
作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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正解: 1
正答
1
この問題のポイント
この問題では、低温障害、放射線影響、金属熱、無酸素空気及び減圧症の発生機序を区別します。
解説
凍瘡は、寒冷によって末梢の循環が障害され、手足の指や耳などに赤紫色の腫れ、かゆみ、痛みなどを生じる状態です。一般に組織の凍結を伴いません。組織が凍結する凍傷とは区別します。
電離放射線による造血器障害は、しきい値を持つ確定的影響又は組織反応に分類されます。線量がしきい値を超えると重症度が増します。確率的影響の代表は発がんや遺伝的影響です。
金属熱は、亜鉛、銅などの金属酸化物ヒュームを吸入した後に、発熱、悪寒、関節痛などを生じるものです。高温環境で体温調節中枢が麻痺する疾病ではありません。
ほとんど無酸素の空気を吸入すると、徐々にではなく、1回又は数回の呼吸で急速に意識を失い、呼吸停止や死亡に至ることがあります。
減圧症は、高圧下で血液や組織に溶け込んだ主として窒素が、急速な減圧で気泡化して起こります。炭酸ガスではありません。
ひっかけポイント
凍瘡と凍傷、金属熱と熱中症、確定的影響と確率的影響、窒素と二酸化炭素を混同しないようにします。
救急処置のポイント
無酸素場所や高濃度ガス環境では、救助者が保護具なしで立ち入らないことが最重要です。直ちに通報し、給気式保護具と救出用具を用います。
選択肢の確認
1.低温の環境下では、手や足の指などの末梢部において組織の凍結を伴わない凍瘡を起こすことがある。
正しい。
凍瘡は、末梢部の寒冷による循環障害で、一般に組織の凍結を伴いません。
2.電離放射線による造血器障害は、確率的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量に対応して増加する。
誤り。
造血器障害は確率的影響ではなく、しきい値を持つ確定的影響又は組織反応です。
3.金属熱は、金属の溶融作業において、高温環境により体温調節中枢が麻痺することにより発生し、数時間にわたり発熱、関節痛などの症状がみられる。
誤り。
金属熱は金属酸化物ヒュームの吸入によって生じます。高温環境による体温調節中枢の障害ではありません。
4.窒素ガスで置換したタンク内の空気など、ほとんど無酸素状態の空気を吸入すると徐々に窒息の状態になり、この状態が 5分程度継続すると呼吸停止する。
誤り。
ほとんど無酸素の空気では、徐々に窒息するのではなく、極めて短時間で意識消失や呼吸停止に至るおそれがあります。
5.減圧症は、潜函作業者や潜水作業者が高圧下作業からの減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた炭酸ガスの気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺などの症状がみられる。
誤り。
減圧症に関与する気泡は、主として高圧下で溶け込んだ窒素です。炭酸ガスではありません。
覚えるポイント
- 凍瘡は組織凍結を伴わない寒冷障害である。
- 造血器障害は確定的影響、発がんは確率的影響である。
- 金属熱は金属酸化物ヒュームの吸入で起こる。
- 無酸素空気は一呼吸でも致命的となり得る。
- 減圧症は主として窒素気泡によって起こる。