Y2023M10E2Q26|第2023年10月公表(第二種) 第一種・第二種衛生管理者免許試験 過去問
代謝に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
この問題では、同化と異化、基礎代謝量、呼吸商及びエネルギー代謝率の特徴が問われています。
エネルギー代謝率は、全身を動かす動的筋作業の強度を表すために利用できます。
一方、酸素消費量の増加が小さい精神的作業や、局所的に筋肉を緊張させる静的筋作業の負担評価には適しません。
解説
同化と異化
代謝は、同化と異化に分けられます。
同化は、栄養素などから蛋白質、脂質、グリコーゲンなど、身体に必要な物質を合成する反応です。
一般に、物質の合成にはエネルギーが必要です。
異化は、体脂肪やグリコーゲンなどを分解し、エネルギーを取り出す反応です。
異化によって得られたエネルギーは、ATPの合成などに利用されます。
基礎代謝量
基礎代謝量は、呼吸、心拍、体温維持など、生命維持に必要な最小限のエネルギー代謝量です。
通常は、次のような一定条件で測定します。
- 覚醒している。
- 安静にしている。
- 空腹である。
- 快適な温度環境にいる。
睡眠中の測定値ではありません。
エネルギー代謝率
エネルギー代謝率は、作業によって基礎代謝量の何倍に相当するエネルギーを余分に消費したかを表す指標です。
一般に、次の考え方で求めます。
エネルギー代謝率=(作業時代謝量-安静時代謝量)÷基礎代謝量
全身の筋肉を連続して動かす動的筋作業では、作業強度が高くなるほど酸素消費量が増えるため、エネルギー代謝率によって強度を表しやすくなります。
一方、静的筋作業や精神的作業では、実際の負担が大きくても全身の酸素消費量が大きく増えないことがあり、適切な評価ができません。
ひっかけポイント
物質を分解してエネルギーを得るのが異化、物質を合成するのが同化です。また、酸素消費量と二酸化炭素排出量の比はエネルギー代謝率ではなく呼吸商に関係します。
作業管理のポイント
作業負担の評価では、エネルギー代謝率だけでなく、作業姿勢、局所筋の緊張、反復動作、精神的緊張、作業時間、休憩なども確認します。
選択肢の確認
1.代謝において、細胞に取り入れられた体脂肪、グリコーゲンなどが分解されてエネルギーを発生し、ATPが合成されることを同化という。
誤り。
体脂肪やグリコーゲンを分解してエネルギーを取り出す反応は、同化ではなく異化です。
2.代謝において、体内に摂取された栄養素が、種々の化学反応によって、細胞を構成する蛋白質などの生体に必要な物質に合成されることを異化という。
誤り。
栄養素から蛋白質などの生体に必要な物質を合成する反応は、異化ではなく同化です。
3.基礎代謝量は、安静時における心臓の拍動、呼吸、体温保持などに必要な代謝量で、睡眠中の測定値で表される。
誤り。
基礎代謝量は生命維持に必要な最小限の代謝量ですが、睡眠中の値ではありません。覚醒、安静、空腹、快適な温度などの条件で測定します。
4.エネルギー代謝率は、一定時間中に体内で消費された酸素と排出された二酸化炭素の容積比である。
誤り。
酸素消費量と二酸化炭素排出量の比は、呼吸商に関係するものです。エネルギー代謝率は、作業に伴う代謝量を基礎代謝量などと比較した指標です。
5.エネルギー代謝率は、動的筋作業の強度を表すことができるが、精神的作業や静的筋作業には適用できない。
正しい。
動的筋作業では作業強度と酸素消費量が比較的対応するため、エネルギー代謝率を利用できます。精神的作業や静的筋作業では負担を適切に反映しないため、適用できません。
覚えるポイント
- 同化は、身体に必要な物質を合成する反応である。
- 異化は、物質を分解してエネルギーを得る反応である。
- 基礎代謝量は、覚醒、安静、空腹、快適な温度などの条件で測定する。
- エネルギー代謝率は、動的筋作業の強度評価に利用できる。
- 精神的作業や静的筋作業の評価には適さない。
- 酸素消費量と二酸化炭素排出量の比は、呼吸商に関係する。