33PM105第33回 柔道整復師国家試験 過去問

柔道整復理論・外傷学骨折各論橈骨遠位端・手部骨折

45歳の女性。1年前のコーレス(Colles)骨折によって、橈骨が軽度短縮転位している。1か月前からドアノブを回す際に違和感を手関節に覚え、1週前から手関節尺側に腫脹と疼痛が出現した。考えられるのはどれか。

解答・解説を見る

正解: 3

正答

3

この問題のポイント

この問題では、コーレス骨折後の橈骨短縮により起こる手関節尺側痛を考えます。

橈骨が短縮すると、相対的に尺骨が長くなった状態となり、尺骨頭が手根骨や三角線維軟骨複合体に衝突しやすくなります。これを尺骨突き上げ症候群といいます。

解説

コーレス骨折は橈骨遠位端骨折の代表で、整復後も橈骨短縮や背側転位が残ることがあります。橈骨が短縮すると、尺骨が相対的に長くなり、手関節尺側に荷重が集中します。

その結果、尺骨頭と月状骨・三角骨、または三角線維軟骨複合体付近で衝突が起こり、手関節尺側の疼痛、腫脹、回内回外時の違和感が生じます。

ドアノブを回す動作は前腕の回内・回外を伴うため、遠位橈尺関節や尺側手関節の障害を考える手がかりになります。

ひっかけポイント
コーレス骨折後の合併症では、長母指伸筋腱断裂も有名です。ただし、長母指伸筋腱断裂では母指伸展障害が中心であり、尺側手関節痛とは症状の出方が異なります。

選択肢の確認

1.橈尺骨癒合
誤り。
橈尺骨癒合では、橈骨と尺骨の間に骨性癒合が起こり、前腕の回内・回外制限が問題になります。この症例の橈骨短縮後の尺側痛とは一致しにくいです。

2.長母指伸筋腱断裂
誤り。
長母指伸筋腱断裂は橈骨遠位端骨折後の合併症として重要ですが、主症状は母指を伸ばせないことです。手関節尺側の腫脹と疼痛が中心ではありません。

3.尺骨突き上げ症候群
正しい。
橈骨短縮により尺骨が相対的に長くなり、手関節尺側に衝突や負荷が生じます。ドアノブを回す際の違和感、手関節尺側の腫脹と疼痛は尺骨突き上げ症候群を考える所見です。

4.反射性交感神経性ジストロフィー
誤り。
反射性交感神経性ジストロフィーでは、疼痛、腫脹、皮膚色調変化、発汗異常、関節拘縮などが広範にみられます。この症例では橈骨短縮後の尺側手関節痛が中心で、尺骨突き上げ症候群が最も考えやすいです。

覚えるポイント

  • コーレス骨折後の橈骨短縮では尺骨突き上げ症候群を考えます。
  • 症状は手関節尺側痛、腫脹、回内回外時痛です。
  • 長母指伸筋腱断裂では母指伸展障害が中心です。
  • 橈骨遠位端骨折では整復位と橈骨短縮の残存が後遺症に関係します。

関連問題

33PM10433PM106
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)