112C28|第112回 医師国家試験 過去問

総合診療・救急・ケア老年医学フレイル・栄養・嚥下

70歳の女性。腰痛を主訴に来院した。2日前に屋内で段差につまずいて転倒した後から腰痛が出現した。歩行は可能である。下位腰椎に強い叩打痛がある。腰椎エックス線写真で第3腰椎の圧迫骨折を認める。 この患者の今後の生活に対する指導をする際に考慮する必要性が低いのはどれか。

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正解: b

正答

b むずむず脚症候群

この問題のポイント

転倒と椎体圧迫骨折後の生活では、移動能力、筋力、活動量、全身の予備力の低下を予防する。関連が低いものを選ぶ。

解説

屋内の小さな段差で転倒し、第3腰椎の圧迫骨折を生じた高齢女性である。骨粗鬆症の評価・治療に加え、再転倒を防ぐ住環境の調整、疼痛に応じた安全な活動、筋力やバランスの維持が必要になる。運動器の障害による移動能力低下はロコモティブシンドローム、筋量・筋力の低下はサルコペニア、安静による機能低下は廃用症候群と関係する。

フレイルは身体面だけでなく心理・社会面も含む予備力低下の状態であり、骨折を契機に自立度が下がる危険を考えるうえで重要である。一方、むずむず脚症候群は安静時に脚を動かしたくなる不快感が生じ、夕方・夜に悪化し、動くと軽快する病態である。本例にはその特徴的な訴えがなく、骨折後の一般的生活指導で他の4項目より考慮する必要性は低い。

選択肢の確認

a ロコモティブシンドローム
誤り。骨や関節、筋肉などの運動器障害による移動能力低下は、再転倒予防と生活機能維持に直結する。

b むずむず脚症候群
正しい。本問では必要性が低い。安静時の脚の不快感や夜間増悪などの情報がなく、転倒・骨折後の機能低下との直接的な関連は乏しい。

c サルコペニア
誤り。筋力や筋量の低下は転倒と活動制限を招くため、栄養と運動を含めて考慮する。

d 廃用症候群
誤り。骨折後の過度な安静で筋力、心肺機能、ADLが低下し得るため、適切な活動維持が重要である。

e フレイル
誤り。予備力が低下した高齢者は骨折を契機に要介護状態へ進みやすく、生活背景も含めて評価する必要がある。

覚えるポイント

骨折後は痛みと骨だけでなく、移動、筋力、活動量、栄養・社会生活をまとめて評価する。

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