113F14|第113回 医師国家試験 過去問

総合診療・救急・ケア緩和ケア・在宅医療症状緩和・栄養

癌悪液質について誤っているのはどれか。

解答・解説を見る

正解: b

正答

b 抗癌化学療法によって惹起される。

この問題のポイント

癌悪液質の本態は、がんに伴う炎症・代謝異常による筋量減少である。化学療法による悪心や摂取量低下だけで定義される病態ではない。

解説

癌悪液質では、腫瘍と宿主の相互作用による炎症性サイトカインや代謝変化が、食欲低下、筋蛋白分解、脂肪分解などに関与する。単なる飢餓と違い、栄養投与だけでは完全に回復しにくい持続的な骨格筋量の減少が特徴で、体重が目立って減っていなくても筋量が減少していることがある。前悪液質、悪液質、不可逆的悪液質という段階で考え、全身状態や治療可能性に合わせて栄養、運動、症状緩和、がん治療を組み合わせる。本問では、化学療法そのものを癌悪液質の原因と位置づけたbを誤りとして選ぶ。ただし実際には化学療法の悪心、口内炎、味覚変化や筋への影響が摂取不良・筋減少を悪化させることはあり、「抗癌治療は悪液質に全く関係しない」という意味ではない。がん由来の病態と治療関連の増悪要因を分けて理解する。

選択肢の確認

a 慢性炎症が関連する。
正しいため選ばない。全身性の慢性炎症は、食欲低下や筋蛋白分解を引き起こす重要な機序である。

b 抗癌化学療法によって惹起される。
誤りとして選ぶ。癌悪液質の本態を化学療法の副作用だけで説明することはできず、未治療でも発生する。ただし化学療法が摂取不良や筋減少を悪化させる場合はある。

c がん細胞のエネルギー代謝が関連する。
正しいため選ばない。腫瘍と宿主のエネルギー代謝変化や、糖・脂質・蛋白代謝の異常が体重・筋量減少に関わる。

d 3大症候は倦怠感、食欲不振、体重減少である。
正しいため選ばない。倦怠感、食欲不振、体重減少は代表的な症候である。特に筋量減少と身体機能低下も評価する。

e 前悪液質、悪液質、不可逆的悪液質の3段階がある。
正しいため選ばない。早期段階から進行した段階までを分け、治療目標と介入の利益・負担を調整する。

覚えるポイント

癌悪液質は「炎症・代謝異常・筋量減少」。化学療法による栄養障害とは区別しつつ、治療が増悪要因になり得ることも忘れない。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する([email protected])までお知らせください。確認して修正します。

関連問題

← 113F13113F15 →
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)