117C62|第117回 医師国家試験 過去問
社会医学・医療システム医療倫理・医療安全患者の権利・意思決定支援
治療を行っていたが、がんが再発し全身状態が悪化した。 この患者の意思決定のプロセスとして適切でないのはどれか。
解答・解説を見る
正解: d
正解
d 家族の意向を本人の意向よりも優先する。
解説
意思決定支援の基本は、患者本人の価値観と希望を中心に進めることである。
本人に意思決定能力があるなら、家族の意向があっても、まず尊重されるべきなのは本人の意思である。
したがって、家族の意向を本人より優先するのは不適切である。
適切な意思決定支援の流れ
1.本人の理解を確かめる
病状や予後について、本人がどの程度理解しているかを確認する。
2.本人の価値観や希望を聞く
何を大切にしたいか、どのような治療や生活を望むかを丁寧に聞き取る。
3.話し合いを繰り返す
がんの進行や全身状態の変化に応じて、意思は変わりうる。
そのため、一度決めて終わりではなく、継続的に話し合う。
4.代理意思決定者を確認する
将来、本人の意思表示が難しくなった場合に備え、代弁できる人がいるかも確認しておく。
各選択肢の検討
a 患者の価値観や希望を聞き取る。
適切である。意思決定支援の中心である。b 病状の変化により話し合いを繰り返す。
適切である。病状変化に応じて見直すことが重要である。c 患者の意思を代行できる人がいるか聞く。
適切である。将来の意思決定支援に有用である。d 家族の意向を本人の意向よりも優先する。
不適切である。本人に判断能力がある限り、本人意思が優先される。e 病状や予後について患者の理解を確かめる。
適切である。理解の確認なしに支援は進められない。
覚えるポイント
終末期や再発がんの意思決定支援では、
- 本人の理解確認
- 本人の価値観の把握
- 繰り返しの話し合い
- 代理意思決定者の確認
が重要である。
家族中心ではなく、本人中心で進めることが原則である。