117C68|第117回 医師国家試験 過去問
全身状態が改善し開頭手術が可能と判断された。患者の血液型検査では、オモテ試験は抗A血清、抗B血清ともに凝集あり、ウラ試験はA血球、B血球ともに凝集なし、抗Rho(D)血清に凝集を認めた。準備する赤血球濃厚液の血液型と患者の血液との交差適合試験の結果を示す。 最も輸血に適した赤血球濃厚液はどれか。
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正解: b
正解
b ABO型=AB、Rho(D)陽性、主試験凝集なし、副試験凝集なし
解説
まず患者の血液型を判定する。
血液型の読み方
ABO型
オモテ試験で 抗A血清、抗B血清ともに凝集あり
→ 赤血球表面に A 抗原も B 抗原もある
→ AB型ウラ試験で A血球、B血球ともに凝集なし
→ 血漿中に抗A抗体、抗B抗体がない
→ これも AB型 と一致する
Rh型
- 抗Rho〈D〉血清に凝集あり
→ Rh陽性
したがって、この患者は AB型、Rh陽性 である。
交差適合試験の考え方
赤血球輸血では、主試験で凝集しないことが最重要である。
この問題では副試験も示されており、主試験、副試験ともに凝集しない血液が最も適している。
各選択肢の検討
a ABO型=AB、Rho(D)陽性、主試験凝集あり、副試験凝集なし
主試験陽性であり、輸血できない。b ABO型=AB、Rho(D)陽性、主試験凝集なし、副試験凝集なし
正しい。AB型、Rh陽性で型が一致し、交差適合試験も問題ない。c ABO型=AB、Rho(D)陰性、主試験凝集なし、副試験凝集なし
適合はするが、Rh陽性患者に対しては、通常は Rh陽性血を優先する。
Rh陰性血は貴重なので、より適しているのは b である。d ABO型=O、Rho(D)陽性、主試験凝集なし、副試験凝集あり
副試験で凝集しており最適ではない。e ABO型=O、Rho(D)陰性、主試験凝集なし、副試験凝集あり
これも副試験陽性であり不適切である。
ひっかけポイント
AB型患者は、理論上は広く赤血球輸血を受けられるように見えるが、最も適しているのは型一致血である。
さらに、Rh陽性患者に Rh陰性血を使うより、Rh陽性血を使って Rh陰性血を温存するのが実際的である。
覚えるポイント
- オモテ試験とウラ試験を両方一致させて ABO型を判定する
- 赤血球輸血では主試験陰性が最重要
- 適合血が複数あるときは、ABO型、Rh型とも一致する血液を優先する