118F73|第118回 医師国家試験 過去問
次の文を読み、以下の問いに答えよ。 70歳の男性。激しい胸痛のため家族に伴われて救急車で搬入された。 【現 症】 意識レベルは JCS II-10。心拍数104/分、整。血圧68 mmHg(触診法)。呼吸数26/分。SpO₂は測定不能(リザーバ付マスク10 L/分 酸素投与下)である。心音は奔馬調律。呼吸音は全胸部に coarse crackles を聴取。皮膚は湿潤し、四肢末梢に著明な冷感を認める。 【検査所見】 心電図を別に示す。 研修医、指導医および看護師の 3 人が救急外来で夜間勤務をしていた。研修医が初期対応をおこなった。 研修医が最も優先すべき対応はどれか。

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正解: c
正解
c 指導医への応援依頼
まず病態を読む
この患者は、激しい胸痛に加えて
- 血圧 68 mmHg
- SpO₂ 測定不能
- 奔馬調律
- 全肺野の coarse crackles
- 四肢冷感
- 湿潤皮膚
を示しています。
これは 急性冠症候群に伴う心原性ショックと急性肺水腫 を強く疑う状況です。
研修医に最も求められる行動
このレベルの重症患者では、研修医単独で抱え込まず、ただちに上級医を呼んでチーム対応に切り替えること が最優先です。
したがって答えは 指導医への応援依頼 です。
なぜこれが最優先なのか
心原性ショックでは、初期対応と並行して次の判断が必要になります。
- 緊急再灌流の要否
- 補助循環の必要性
- 挿管管理のタイミング
- 昇圧薬、強心薬の選択
- カテーテル室への導線確保
これらは一人で進めるべきではなく、上級医を含めたチームで即座に動くことが患者安全に直結 します。
各選択肢の検討
a 家族へ予後の説明
誤りです。
説明は重要ですが、救命処置開始より優先しません。
b 家族からの病歴聴取
誤りです。
既往歴や発症経過の確認は必要ですが、重症ショックでは まず救命体制の強化 が先です。
c 指導医への応援依頼
正解です。
この患者は明らかに重症であり、直ちに上級医を呼ぶべき状況 です。
d 看護師と治療方針の確認
誤りです。
看護師との連携は大切ですが、治療方針の確定には上級医の関与が必要です。
まずは応援要請が優先されます。
e 急変時の気管挿管の同意取得
誤りです。
急変時の救命処置は、必要なら緊急に行います。
同意取得を優先して処置を遅らせるべきではありません。
ひっかけポイント
この問題は、医学知識だけでなく 研修医としての行動原則 を問っています。
「自分で何かを進める」よりも、重症度を認識して早く助けを呼べるか が重要です。
まとめ
この症例は 胸痛を伴う心原性ショックの極めて重篤な状態 です。
研修医が最も優先すべき対応は、c 指導医への応援依頼 です。