28PM33第28回 精神保健福祉士国家試験 過去問

新カリキュラム(第27・28回)専門科目ソーシャルワークの理論と方法(専門)

震災から数年後のある日、地域活動支援センターを利用しているAさんは「震災の時の避難所は、人の声が途切れないし、人に見られている感じが息苦しかった。中に居られなかったので、車内で過ごした。とても不安で、体調も不安定になった。つらいことを誰にも言えず、我慢するしかなかった」とB精神保健福祉士に話した。後日開催された「協議会」の部会でも、同様の事例が幾つか出ていた。そこでB精神保健福祉士は、精神障害者の災害時避難対策のワーキンググループ設置を提案し、承認された。そして、早速活動を開始した。 次の記述のうち、ワーキンググループ初期段階の活動として、最も適切なものを1つ選びなさい。 (注) 「協議会」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に基づき行われる協議会のことである。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

地域課題への取組の初期は、解決策を先に決めず、影響を受ける当事者・家族・支援者の経験を集め、ニーズと既存資源を可視化する段階です。

解説

Aさんの経験は重要な出発点ですが、地域の避難課題を把握するには、刺激への敏感さ、服薬、情報取得、移動、プライバシー、相談先など多様な困りごとを当事者、家族、支援者から集める必要があります。まず現状をアセスメントし、共通課題と個別ニーズ、既存の避難計画や資源を整理してから、ガイドライン、設備、啓発、提言などの優先順位を決めます。初めから特定のテント購入や動画作成を解答とせず、「私たち抜きに決めない」参加の仕組みを作ります。語りの収集では同意、匿名性、負担にも配慮します。

選択肢の確認

1.避難所に個室ユニットを作る簡易テント購入のため、クラウドファンディングで資金を募る。
この初期段階では適切ではありません。ニーズや設置条件を把握する前に資材と資金調達を決めています。

2.市に対して、メンタルヘルスに特化した避難所ガイドラインの作成を要望する。
この初期段階では適切ではありません。要望内容の根拠となる当事者ニーズと現状分析が先です。

3.精神障害当事者とその家族や支援者の声を集約し、困りごとを可視化する。
正答。最も適切です。影響を受ける人の声から課題を把握し、取組の根拠を作ります。

4.精神疾患の理解のため、啓発動画を作成して、SNSを通じて発信する。
この初期段階では適切ではありません。課題が啓発不足かどうかを含めて先に調査する必要があります。

5.地域防災フォーラムに当事者が登壇し、新たな仕組みを提案する機会を設ける。
この初期段階では適切ではありません。提言の前に多様な声を集め、課題と案を共同で整理します。

覚えるポイント

地域活動は「当事者参加によるニーズ把握→課題分析→目標設定→実施→評価」の順です。解決策ありきにしないことが重要です。

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