111Q296|第111回 薬剤師国家試験 過去問
9 歳男児。身長 136 cm、体重 31 kg。1 年前に咳嗽、喀痰及び呼吸困難を 主訴に来院し、気管支ぜん息と診断されて治療が開始された。現在は、月に1 ~2 回、夜間に息苦しさとともに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった呼吸音が聞こ えるとのことである。呼吸機能検査(スパイログラム)では、1 秒量(FEV1)と 1 秒率(FEV1%)の低下がみられたが、%肺活量(%VC)は基準範囲内であっ た。また、血液検査ではハウスダストに対する IgE 抗体が陽性であった。現在の 処方は以下のとおりである。 (処方1 ) アドエア 100 ディスカス 60 吸入用 (注) 1 個 1 回1 吸入 1 日2 回 朝就寝前 吸入 ⎧ | | | | ⎩ ⎫ | | | | ⎭ 注:サルメテロールキシナホ酸塩及びフルチカゾンプロピオン酸エステルを 含有する吸入粉末剤。1 吸入で、サルメテロールとして 50 μg 及びフル チカゾンプロピオン酸エステルとして 100 μg を吸入できる。 (処方2 ) モンテルカストチュアブル錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠) 1 日1 回 就寝前 30 日分 (処方3 ) プロカテロール塩酸塩水和物エアゾール5 μg 1 個 発作時 1 回2 吸入 1 日4 回まで 本患者の病態に関する記述として、適切なのはどれか。2つ選べ。
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正解: 1・3
正答
1・3
この問題のポイント
ハウスダスト特異的IgE陽性はアトピー型喘息を示し、発作時には気道狭窄による笛音を聴取します。スパイロメトリーは閉塞性障害です。
解説
小児でハウスダスト特異的IgEが陽性であり、I型アレルギーが関与するアトピー型気管支喘息と考えます。発作時は気管支平滑筋収縮、粘膜浮腫、分泌物増加により呼気性気流制限が起こり、聴診で高調性の連続性副雑音である笛音・wheezeを聴取します。FEV1とFEV1%が低下し%VCが保たれる所見は閉塞性換気障害であり、拘束性ではありません。KL-6は間質性肺炎などII型肺胞上皮障害の指標です。アトピー型喘息では好酸球性炎症が中心であり、喀痰好中球増加を典型所見として選びません。夜間症状の頻度からコントロールも再評価します。
選択肢の確認
1.アトピー型の気管支ぜん息と考えられる。:正答。特異的IgE陽性です。
2.呼吸機能検査の結果から、拘束性換気障害が疑われる。:FEV1%低下は閉塞性障害です。
3.胸部聴診では、発作時に呼吸に伴って笛音が聴取される。:正答。気道狭窄によるwheezeです。
4.血中のシアル化糖鎖抗原(KL-6)が高値を示す。:間質性肺疾患の指標です。
5.喀痰中の好中球が増加している。:典型的には好酸球性炎症です。
覚えるポイント
喘息は可逆性の閉塞性換気障害です。アトピー型は特異的IgE・好酸球、発作時は呼気性笛音が手掛かりです。