60AM012|第60回 理学療法士国家試験 過去問
70 歳の女性。脳出血による右片麻痺。Brunnstrom 法ステージ上肢Ⅳ、下肢Ⅳ。 独居にて自宅で生活し、屋内は短下肢装具と杖を使用して歩行可能である。最近歩 行時にふらつきが生じるなど転倒への不安が強まったことから、通所リハビリテー ションを利用することとなった。 通所時の転倒リスク評価で適切なのはどれか。
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正解: 1
正答
1.TUG
この問題のポイント
この症例で評価すべきなのは、歩行可能な人の転倒リスクに関係する基本的な移動能力です。TUG〈Timed Up and Go test〉は、椅子から立ち上がり、3 m歩き、方向転換して戻り、再び座るまでを観察して所要時間を測る検査であり、選択肢の中で最も適切です。
解説
この患者は短下肢装具と杖で屋内歩行が可能ですが、最近はふらつきと転倒への不安が強まっています。TUGでは、立ち上がり、直線歩行、方向転換、着座という日常生活に必要な一連の動作を短時間で確認し、基本的な機能的移動能力を定量化できます。そのため、通所時の転倒リスク評価に用いる検査として、この設問の選択肢ではTUGが適切です。
ただし、TUGの所要時間だけで将来の転倒を断定することはできません。実際の評価では、動作の観察、転倒歴、使用する装具・杖、住環境なども併せて判断します。
選択肢の確認
1.TUG:椅子からの立ち上がり、3 m歩行、方向転換、帰路、着座を通して基本的な機能的移動能力を評価する。正答。
2.NIHSS:脳卒中後の神経機能と神経学的障害の重症度を評価する尺度であり、痙縮を測る検査ではない。
3.UPDRS:Parkinson病の症状や日常生活・運動機能などを評価する尺度であり、歩行時のエネルギー効率を測る検査ではない。
4.modified Tardieu scale:異なる速度での他動運動に対する筋の反応から、痙縮などを評価する尺度であり、Parkinson病専用の尺度ではない。
5.Physiological cost index〈PCI〉:歩行時と安静時の心拍数差を歩行速度で除して、歩行の生理的負担を推定する指標であり、脳卒中の重症度尺度ではない。
覚えるポイント
TUGは基本的な機能的移動能力、NIHSSは脳卒中の神経学的重症度、UPDRSはParkinson病、modified Tardieu scaleは痙縮、PCIは歩行の生理的負担を評価します。