60AM086|第60回 理学療法士国家試験 過去問
末梢神経伝導検査が診断に有用なのはどれか。
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正解: 2
正答
2.手根管症候群
この問題のポイント
末梢神経伝導検査(NCS)は、神経の伝導速度や振幅を評価する検査で、特に圧迫性神経障害の診断に高い感度と特異性を持つ。手根管症候群は正中神経が手根管内で圧迫される疾患で、NCSでは伝導速度の遅延(特に正中神経の伝導遅延)や振幅の低下が明確に認められるため、診断に極めて有用である。
解説
末梢神経伝導検査は、神経の機能を評価するための非侵襲的検査であり、中枢神経疾患や筋原性疾患との鑑別に用いられる。手根管症候群は、手の感覚や運動機能の障害を引き起こす典型的な末梢神経障害であり、NCSでは正中神経の伝導速度が遅延し、特に手首の感覚や指の運動に影響が現れる。この検査は、臨床的所見(例えば、手の感覚異常、爪状手)と併せて診断を確定する上で重要な役割を果たす。
一方、他の選択肢については、NCSの適用が限られる。閉塞性動脈硬化症は血管性疾患で、血流の評価(ABIなど)が主な診断基準となる。筋ジストロフィーは筋肉の疾患(筋原性)であり、NCSでは通常、伝導速度は正常であるため、診断には筋電図や遺伝子検査が重要。多系統萎縮症やParkinson病は中枢神経系の変性疾患で、末梢神経の変化が軽微または非特異的であるため、NCSは診断の主たる手段とは言えない。
選択肢の確認
1.Parkinson 病:中枢神経変性疾患で、末梢神経伝導は正常。診断に有用ではない。
2.手根管症候群:正中神経の圧迫により伝導速度が遅延。NCSで明確に確認可能。正解。
3.多系統萎縮症:中枢神経変性で、末梢神経変化は非特異的。NCSは診断に有用でない。
4.筋ジストロフィー:筋自体の疾患で、NCSでは伝導速度は正常。診断には不適。
5.閉塞性動脈硬化症:血管疾患で、血流検査(ABI)が主な評価項目。NCSは適用しない。
覚えるポイント
「圧迫された神経」が疑われる場合、NCSをまず検討。手根管症候群は、正中神経が圧迫されることで、NCSで伝導遅延が確認されるため、最も適切な診断ツールである。