第108回

108AM024|第108回 保健師国家試験 過去問

医療計画において定めることとされている事項はどれか。

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正解3

正答

3.居宅等における医療の確保に関する事項

この問題のポイント

医療法に基づいて都道府県が策定する医療計画に、何を定めるかを問う問題です。「医療計画」という言葉から、根拠法は医療法、策定主体は都道府県であることを思い出し、在宅医療(居宅等における医療)が法定の記載事項であると判断できるかが鍵です。国が定める診療報酬や、介護保険法に基づく計画で扱う事項と区別できるかも問われています。

解説

医療計画とは

医療計画は、医療法第30条の4に基づき、都道府県が国の基本方針に沿って定める計画です。地域の実情に応じて医療提供体制の確保を図ることを目的とし、1985年の医療法改正で制度化されました。計画期間は6年で、在宅医療など介護保険と関わりの深い部分は3年ごとに評価・見直しを行います。出題当時(2022年2月)は第7次医療計画(2018〜2023年度)の期間中でした。

医療計画の主な記載事項

  • 5疾病・5事業と在宅医療について、達成すべき目標と医療連携体制
  • 地域医療構想(構想区域ごとの将来の病床の必要量など)と、病床機能の分化・連携の推進
  • 外来医療の提供体制の確保、医師の確保(医師確保計画)、医師以外の医療従事者の確保
  • 医療の安全の確保
  • 二次医療圏と三次医療圏の設定
  • 基準病床数

5疾病は、がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患です。5事業は、救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療(小児救急医療を含む)です。現在の第8次医療計画(2024年度〜)では「新興感染症発生・まん延時における医療」が加わり、5疾病6事業となっています。

在宅医療が記載事項になっている意味

高齢化が進み、入院医療だけでは地域の医療需要に応えられなくなっています。そのため医療法では、「居宅等における医療の確保」について、目標、医療連携体制、確保に関する事項を医療計画に書くよう定めています。在宅医療の体制づくりでは、次の4つの機能を地域でどう確保するかを考えます。

  • 退院支援
  • 日常の療養支援
  • 急変時の対応
  • 看取り

保健師が関わる入退院支援の仕組みづくりや訪問看護との連携は、この計画の目標と結びついています。

他の計画・制度との切り分け

この問題の誤りの選択肢は、次の2種類に分けられます。

  • 国が全国共通で決める事項(診療報酬)
  • 介護保険法に基づく計画で扱う事項(介護医療院、地域支援事業)

介護保険の計画には、市町村が策定する介護保険事業計画(3年)と、都道府県が策定する介護保険事業支援計画(3年)があります。医療計画は、介護保険事業支援計画と整合をとることとされています。2018年度からは、医療計画を6年、介護の計画を3年として、策定の周期がそろえられました。両者は連動しますが、定める事項はそれぞれの法律で決まっているため、「どの法律の、誰がつくる計画か」で判断します。

選択肢の確認

1.診療報酬の点数:診療報酬の点数は、健康保険法に基づいて厚生労働大臣が定めるものです。中央社会保険医療協議会(中医協)に諮問し、その答申を踏まえて全国共通の点数表として決め、原則2年ごとに改定されます。都道府県が地域の提供体制を設計する医療計画で扱う事項ではありません。医療費を扱う都道府県の計画には、高齢者医療確保法に基づく医療費適正化計画がありますが、これも点数を決める計画ではない点に注意します。

2.市町村の介護医療院の設置数:介護医療院は、2018年4月に創設された介護保険施設です。長期療養が必要な要介護者に、医療と生活の場を一体的に提供します。整備量は介護保険法に基づく計画で扱い、市町村介護保険事業計画でサービス量を見込み、都道府県介護保険事業支援計画で介護保険施設の必要入所定員総数を定めます。介護医療院は医療法上の医療提供施設でもあり、療養病床の転換先として地域医療構想とも関わるため混同しやすい選択肢です。それでも、施設の量を定めるのは介護保険側の計画です。

3.居宅等における医療の確保に関する事項:正答。医療法は、居宅等における医療(在宅医療)について、目標、医療連携体制、確保に関する事項を医療計画に定めるよう規定しています。都道府県は、退院支援から看取りまでの体制を、関係機関と連携して計画的に整備します。

4.市町村の地域支援事業利用者数の見込み:地域支援事業は、介護保険法に基づいて市町村が実施する事業です。内容は次の3つです。

  • 介護予防・日常生活支援総合事業
  • 包括的支援事業(地域包括支援センターの運営、在宅医療・介護連携推進事業、認知症総合支援事業など)
  • 任意事業

各年度の地域支援事業の量の見込みは、市町村介護保険事業計画で定める事項です。在宅医療・介護連携推進事業は名称に「在宅医療」を含みますが、実施主体は市町村、根拠法は介護保険法であり、医療計画とは区別します。

覚えるポイント

  • 医療計画は「医療法・都道府県・6年」で、在宅医療などは3年ごとに見直します。出題当時は第7次、現在は第8次の計画期間です。
  • 医療計画の記載事項は、5疾病・5事業と在宅医療の目標と連携体制、地域医療構想、医師確保・外来医療、医療従事者の確保、医療安全、医療圏、基準病床数です。
  • 5疾病は、がん・脳卒中・心筋梗塞等の心血管疾患・糖尿病・精神疾患です。5事業は、救急・災害・へき地・周産期・小児で、第8次から新興感染症が加わり6事業になりました。
  • 二次医療圏は一般の入院医療を完結させる単位で、療養病床・一般病床の基準病床数を定めます。三次医療圏は高度・特殊な医療の単位で、原則として都道府県単位です。
  • 計画は主体と根拠法で切り分けます。介護保険事業計画は市町村・3年、介護保険事業支援計画は都道府県・3年、医療費適正化計画は国と都道府県・6年です。
  • 診療報酬の点数は、国(厚生労働大臣が中医協に諮問)が全国共通で定め、原則2年ごとに改定されます。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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